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セールスフォース・ドットコム DBからMFPに顧客情報出力 パソコン使わず情報を一元管理

2006/07/10 17:57

週刊BCN 2006年07月10日vol.1145掲載

 セールスフォース・ドットコム(宇陀栄次社長)はこのほど、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ、村瀬治男社長)が提供するデジタル複合機(MFP)と連携し、パソコンを使わず顧客管理情報をMFPを介して打ち出せるサービスを開始した。保険会社や金融機関などで、本社で一元管理した営業内容や契約条件の最新情報を代理店に提供する際などに利用できる。サービスはキヤノンMJが手掛け、2010年度(2010年12月期)までにMFP販売やSI案件などを含め100億円の売り上げを目指す。

 同サービスは、セールスフォースのCRM(顧客情報管理)「Salesforce」のデータベースで管理する情報を、オンデマンドサービス「AppExchange」を介し、キヤノンMJのドキュメント変換システム「MEAP」搭載のMFP「Color imageRUNNER/imageRUNNER」を組み合わせたソリューション。個人情報など機密情報を除外した購買履歴や契約条件などを、パソコンを介さずMFPで出力できる。「AppExchange」と連携したMFPは、今回が世界初という。

 これまでは、パソコンを立ち上げID・パスワードを何度も入力し、情報にアクセスする必要があった。しかし、同サービスは、パソコンを使わず、MFPのタッチパネルにアクセスして出力ができる。例えば、ホテル業では、宴会場に必要な人数や料理の数、空き室情報など、最新の予約一覧を、パソコンを持たない客室係や宴会担当者がMFPで参照するなどの利用方法を見込む。

 また、顧客から開示された契約書などの紙文書をスキャンし、そのまま「Salesforce」へ格納することもできる。

 同サービスは、導入費用が16万円から。販売は、キヤノンMJやSI子会社、地域の代理店などが担当する。MFP市場では、企業のネットワーク化が進展し、基幹システムや業務システムと連携したソリューションのニーズが高まっている一方、サービス業などでパソコンを介さず、こうした情報を出力する利用方法が増えている。リコーや富士ゼロックスにも、「MEAP」と同様の仕組みがあるため、「他の事務機メーカーにも波及させたい」(宇陀社長)という。

 「AppExchange」と連携したアプリケーションやサービスは、キヤノンMJの「MEAP」を含め、7月までに国内70種類以上になる。
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