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データクラフト 印刷業向けファイル管理を強化 版下データの再利用拡大で

2006/07/17 17:57

週刊BCN 2006年07月17日vol.1146掲載

 データクラフト(高橋昭憲社長)は同社が開発した印刷業向けウェブ型ファイル管理システム「D.FileBase」を総販売元のモリサワと協力して販売を強化する。

 個人情報保護法の施行を受け、印刷業で同法対応のためのシステム構築がきっかけとなり、「データの再利用が拡大する」(木村将之・営業部営業推進課マネージャー)と判断。版下データなどを簡単にデータベース化できる同システムを売り込む。

 同システムは2002年11月に出荷を開始、大手印刷業の地方拠点など約100社に導入された。今年度(07年3月期)は新規に50社程度の導入を目指す。

 同システムは、LAN経由でサーバーにイラストレータなどで作成した版下データを蓄積し、必要な時にパソコンから取り出せるデータベースシステム。パソコンのブラウザで簡単にデータの検索や取り出しができる。OSには「Mac OS X Server」を採用。「UNIXの堅牢性やMacの操作性を併せ持つ。ファイルをドラッグ&ドロップするだけで、簡単にデータベースが構築できる」(木村マネージャー)という。

 導入コストは、同システムやOS、サーバー、データを蓄積するRAIDなどを加え、200─300万円程度と安価に設定している。

 従来、印刷業では版下データをMOやCD─Rなどでバックアップしていたが、同システムを使えば、簡単に保存、検索などができる。

 木村マネージャーは「印刷業では、同保護法を意識したシステムへの移行が進行しており、版下データを再加工して利用するニーズも増えているため、同システムの需要が高まる」と、期待している。

 同社は今後、使用権フリー素材集「素材辞典シリーズ」の同システム専用版を拡充していく。また、「3次元CADなど大容量ファイルを扱う建設業などに応用できる」(木村マネージャー)と、印刷業以外の業界へ利用を進めることも視野に入れている。
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