受託ソフトウェア開発の大和コンピューター(中村憲司社長)は、ソフト開発能力を客観的に示す品質管理基準「CMMI(Capability Maturity Model Integration)」の評価レベルを得るためのコンサルティング事業を強化している。同業他社を対象にCMMIを浸透させることで、品質の高いソフトを共同で開発する案件の拡大などを狙う。

 CMMIは、米ソフトウェア工学研究所(SEI)が策定したソフトの客観的な品質基準であるほか、開発プロセスを継続的に改善する方法論として利用が拡大している。同社は、SEIから2002年にCMMIの前版であるCMMの「レベル3」を国内中小ソフト会社として全社レベルで初めて認証された。2005年には、CMMを拡張した後継版、CMMIの「レベル4」の評価を得た。このノウハウを基に、03年から同事業を開始し、実質的には昨年度(06年7月期)から本格化している。

 同社には、SEI公認の「リードアプレイザー(査定者)」が2人在籍。この担当者らによる「CMMI公式研修コース」を、米国内の受講料金より低価格(19万8000円)で定期的に日本語で開催。このほか、CMMIに基づき開発プロセスを改善するコンサルティングを実施している。現在は、本社のある大阪と東京の中小ソフト会社や大手SIerなど10社以上に対し、CMMIの評価を得るまでの継続的な支援をしている。

 具体的には、初期段階の教育に始まり、CMMIの評価を得るまでの計画や開発プロセスへの実装、成熟度レベルの評定までを行っている。

 経済産業省が「日本版CMMI」を策定し、政府調達案件で活用しようと模索したことで注目度が高まっていたため、「依頼が増えた」と、同事業を統括する鈴木義人・取締役営業部部長は話す。

 また、「企業向けのソフト開発は、中小ソフト会社が1社で担うのは難しい。しかし、品質の高いソフトを開発するには、同じ水準のソフト会社を増やす必要がある」(同)と、コンサルティングなどを通じ、共同で案件を受託するなど、新たなビジネスチャンスが生まれることを期待する。

 昨年度の連結業績は、売上高が約18億3000万円。このうち、同事業の売上高は約5000万円弱で、今年度(07年7月期)は、同事業で前年以上の売上高を見込む。