NECネクサソリューションズ(渕上岩雄社長)は、法制化が検討されている「日本版SOX法」に関連して、中堅中小企業向けのシステム再構築などを支援する「IT統制支援ソリューション」の提供を開始した。ERP(統合基幹業務システム)やIT資産管理、セキュリティ管理など、同社が扱うソフトウェアやソリューションに、業務処理統制の状況を評価するコンサルティング・サービスを加えて体系化した。今年度(2007年3月期)は、10億円以上の売上高を見込んでいる。同社は、このソリューションを通じ「基幹システムに関連するシステム開発が増える」(宮越一郎・マーケティング部グループマネージャー)と、将来的には他のSIerとの連携も拡大する方針だ。

 NECネクサソリューションズは、NECグループや他の企業10数社に対し、米SOX法に対応したIT統制構築を手がけた。この実績で得たノウハウに加え、業務システム構築や運用・評価、アウトソーシング、システム監査など自社手法を基に、今回のソリューションを体系化した。

 同ソリューションは、「業務処理統制」に関するIT利用部分(アプリケーション統制)と、「IT全般統制」の領域に分類したもの。まずは、対象企業に対して、「業務処理統制アセスメント・サービス」と呼ぶ130項目のチェックリストにより現状を調査。この結果を受けて、「業務処理統制」では、ウェブ型ERP「GRANDIT(グランディット)」とSAPの中小企業向けERP「SAP Business One(B-One)」を導入して、承認機能やログ管理、毎期の内部監査業務の効率化など、内部統制に必要な業務プロセスを見直す。

 また、「中堅中小企業は、独自の強みを持つアプリケーションが存在する場合が多い」(宮越マネージャー)ため、既存アプリケーションを生かし、ウェブシステムを構築する開発基盤「kaleidoeSuite(カレイドイースイート)」を利用して、認証やワークフロー、文書管理などを統合的に利用できるシステム構築の提案をする。

 「IT全般統制」では、システムの開発・運用・保守・変更やIT資産管理、障害時対応など、ITシステムに関連する業務システムのルール化を図る。

「日本版SOX法が施行されれば、監査法人から、こうしたルールが明文化されているかを問われる」(宮越マネージャー)。

 同社ではまず、IT資産管理ツールなどの導入を企業に薦めるが、IT部門の業務負荷や新たな人員増大が伴うために二の足を踏むことを想定して、各企業とSLA(サービス・レベル・アグリーメント)を締結し、システム運用などに関するアウトソーシングを提供していく。

 今年度、同社の既存顧客600-700社のうち、上場企業とそのグループ会社約300社を「重点企業」として拡販する。宮越マネージャーは「この取り組みを企業に提供する際、必ず基幹システムに関連するシステム開発が必要になる。初年度はアウトソーシングやITツールの需要が主体になるが、将来的には1案件ごとの単価アップにつながる」と期待。他のSIerとも協力関係を築いていく方針だ。