ウイングアークテクノロジーズ(内野弘幸社長)は、帳票をひとつのサービスとして提供する独自コンセプト「帳票SOA(サービス指向アーキテクチャ)」の事業戦略を加速させる。昨年末に標準技術「XML」などに対応した帳票開発ツールを出したのに続き、8月末には、帳票環境をサービス化するために上位システムと疎結合して帳票出力できるインターフェースの新版をリリースする計画だ。また、既存のパートナー制度「WARP(WingArc technologies Relationship Program)」を一部見直し、SIerなどに対する営業支援などを強化した。

 企業では、内部統制の強化が進み、ERP(統合基幹業務システム)やホスト機、ウェブシステムなど個別の業務システムにある縦割りの帳票システムを改め、ログ管理やセキュリティ強化の一環で、全社で帳票運用を一元化する動きが活発化している。このため、同社は昨年から、独自コンセプト「帳票SOA」を打ち出し、全社システムの出力環境から帳票運用全体を見直す提案を積極的に進めている。

 昨年12月には、「XML」や国際標準の文字コード「ユニコード」に対応した帳票フォームが作成できる帳票開発ツール「SVFX-Designer」を出した。同ツールを利用することで、既存の業務アプリケーションとSOAを進める企業システムの両方に適用可能な一元的な帳票開発環境がつくれるようになる。

 また、上位システムと疎結合して帳票出力できるインターフェイス「SVF Connect SUITE」の一部製品をSOA環境で利用可能にするパック化した新版「同Standard」を8月末までに出す。森脇匡紀・営業本部SVF事業部事業部長は「『同Standard』を使うことで、Javaや.NETなどの異なる環境に応じたシンプルなデータ処理ができるようになる」と話す。

 両製品に加え、アクセスコントロールや帳票操作ログ管理など、全社で帳票運用の「一極集中」化を図れる帳票統合スプールサーバー「Report Director Enterprise(RDE)」の3製品を「帳票SOA」を実現する同社の基盤ソリューションとして売り込む。

 「3製品を中核に帳票環境を再構築することで、ERP導入時の追加開発や既存システムを大幅に変更せずにオープン化へ移行できる」(森脇事業部長)と、コスト削減や帳票運用の簡素化が図れるという。

 これに伴い、既存のパートナー制度「WARP」を7月に見直した。従来は、同社製品をSIerのソリューションに組み込むことに主眼を置いていた。それを今回、SIerと同行する導入サービスや技術指導、共同マーケティングなど、営業支援に関するサービスメニューを増やした。現在、「WARP」では、実質30社程度が積極的に活動を展開している。こうしたパートナーを増やして、「帳票SOA」の普及を働きかける。

 同社の売上高は、昨年度(2006年2月期)が約62億円。今年度の第1四半期(3-5月)は、「1000万円以上の大型案件が増え、基幹システム関連が伸びた」(森脇事業部長)ため、中核製品のRDEが本数ベースで前年同期比170%、金額ベースで同120%も成長した。