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Eストアー ネット通販の店舗数を増やし 売上高総計1兆円目指す

2006/08/07 17:59

週刊BCN 2006年08月07日vol.1149掲載

 インターネット通販システム提供のEストアー(石村賢一社長)は、自社システム利用企業によるネット通販の売上高総計を今後3年程度で1兆円に引き上げる。現在約1万8000社あるネット通販システム利用企業数を実稼働ベースで5万社に増やしたうえで、1店舗当たりの売上高を高める。主要店舗の直近の平均売上高は年間約500万円だが、店舗向けの教育サービスや販促支援などを拡充していくことで、今後3年程度で4倍の同約2000万円に引き上げる方針。

 Eストアーは、店舗の売り上げを増加させれば、同社が提供する各種サービスの利用率が高まり、結果的に「自社の収益力が強まる」(石村社長)とみている。

 昨年末には従来のネット通販の基本セットに加えて教育サービスや販促支援などのメニューを大幅に拡充した新コース「ショップサーブ」を新設。月額利用料もこれまでの約3倍の1万円近くに設定した。サービス内容拡充によるコスト増を回収するためだが、2006年1-3月期には新規契約を中心に約700社を獲得した。

 引き合いが急増していることから、今年度(07年3月期)末までにはショップサーブの利用企業数が新たに3000件増えると予測している。現在のネット通販システムの利用企業数は約1万8000社だが、新サービスを加えることにより今年度末までに少なくとも2万数千社に増えると見込んでいる。

 開店準備中や開店直後の店舗などを除き、現在ネット通販事業が本格的に立ち上がっている店舗の平均売上高は年間約500万円。ネット通販の市場が「右肩上がりで拡大している」ことに加えて、教育や販促支援などのサービスを拡充させていくことで今後3年程度で同2000万円に増やす。ネット通販システムの実稼働ベースの利用社数が5万社に増えれば、店舗の売上高総計が1兆円に達すると予測している。

【ユーザーの状況】
 電動工具などを販売するサガミ住器センター(佃進一社長)はEストアーのネット通販システムを使ってビジネスを広げている。04年11月、パソコンさえあればすぐに店舗を開設できるEストアーの手軽な仕組みを活用してネット通販店舗「ツールメイト」を立ち上げた。日次で見られるアクセス数や販売動向のデータをもとに販売戦略を立案。売れ筋商材を見極めて競争力ある価格で販売を伸ばし続けてきた。


 プロの職人向けに本格的なネット通販で金物や工具を販売する競合他社の数が少ないこともあり、「年商2億円もあれば全国で上位5位に食い込める」(佃社長)とみる。ツールメイトの売り上げは順調に伸びており今年度(06年12月期)は昨年度比約3倍の3000万円を見込む。来年度は5000万円を目標とし、今後5年程度で「五指入り」を狙う。
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