大容量データや統合通信環境に対応

 住商情報システム(SCS、阿部康行)は、企業向けに国産IP機器などを利用して新たな災害対策ソリューションの販売を開始した。日立製作所とNECの合弁会社、アラクサラネットワークスのIP機器と米マクデータ日本法人、マクデータ・ジャパンのストレージ拡張製品を組み合わせ、企業間取引や財務などのデータ喪失を防止するバックアップ・リカバリーの仕組みをこのほど共同開発。大手銀行や世界展開する製造業などに売り込む。3社では、今後3年間で機器販売だけで60億円の売上高を計画している。米マクデータが、国産IP機器を公式サポート機器として認定するのはこれが初めてという。

 3社で共同開発したのは、アラクサラの国産イーサネットスイッチ「AX 3630Sシリーズ」と、WAN回線を利用してストレージシステムを拡張できる製品群であるマクデータの「UltraNetシリーズ」などを組み合わせた「災害対策バックアップ・リカバリーソリューション」。メインフレームからオープン系サーバー、広帯域から狭帯域の通信ネットワークなど、さまざまな環境に対応でき、万一災害で回線品質が悪化した場合でも、影響を最小限に抑えることができる。画像や音声などの大容量データやデータ統合通信環境に対応しているのが特徴だ。

 SCSは、2001年9月に米ニューヨーク市で起きた同時多発テロ直後に、企業向けの災害対策と事業継続に関するソリューションの提供を開始(当時は合併前の住商エレクトロニクス)。これまでは、国内でもシェアトップの米大手ネットワーク機器メーカー製品を中心にソリューションを提案してきたが、「サービスの選択肢を増やす」(三浦史雄・ストレージネットワーク営業部長)などを理由に国産IP機器を採用したという。また、「製品の安定性に加え、アラクサラ製品は、障害発生時の対応やソフトウェア供給が迅速で充実している」と、国内サポート体制の充実度を評価している。

 国内企業ではここ数年、サーバーやストレージ統合が進んでいる。SCSはこうした機器類を改めてキャリア通信に接続する際などに、事業活動に関わる取引データや財務、生産管理、顧客・営業情報などを災害時に早期にバックアップでき、障害復旧できるソリューションを提案する。当面は自社ソリューションを提供する企業のほか、ITシステムの合併作業が進む大手銀行や証券会社、生損保、世界展開する製造業などを中心に顧客を開拓する。

 また、基幹システムの提供、販売、開発を手がける大手SIerとの協力関係も拡充し、メインフレームやオフコンのデータを移行する際などに災害対策をすすめる。3社は、同ソリューションの機器販売だけで3年間に60億円を計画。この機器を販売する際のシステム構築を含めれば、さらに事業規模は増えると見ている。