F5ネットワークスジャパン(長崎忠雄社長)は、ネットワーク機器の安定感や高速化、安全性を追求するコンセプト「アプリケーション・デリバリ・ネットワーキング(ADN)」を切り口に製品の拡販を図る。独自に開発した統合プラットフォーム「TMOS」をベースに同社製品を連携させることで柔軟なアプリケーション配信を可能とした。アプリケーションサービスに対応したネットワーク機器を他社との差別化策に位置づけている。

 同社は、トラフィック管理のロードバランスが可能な「BIG-IP」をはじめ、WAN高速化が可能な「WANJet」やSSL-VPNの「FirePass」などの製品を揃えている。武堂貴宏・プロダクトマーケティングマネージャは、「当社はウェブサイトを対象とした“ロードバランサーメーカー”と見られがちだが、アプリケーション配信を柔軟に行うのに必要なネットワーク機器の提供に力を注いでいる」という。

 ロードバランサーに位置づけられる「BIG-IP」だけをみると、他社製品と機能が変わらないとの声がユーザー企業から出ているものの、「他社製品でアプリケーション配信におけるトラフィック管理やセキュリティ、WAN高速化を実現する場合は、コンテンツアクセラレータなどを追加するといったネットワーク機器同士を接続する“パッチワーク”が必要となる。そのため、余分なコストがかかったり、導入後の管理が煩雑になる可能性が高い」と指摘。

 同社では、独自の統合プラットフォーム「TMOS」を開発したことで、「BIG-IPとWANJet、FirePassなど当社製品のスムーズな連携を可能としており、ユーザー企業にとっては簡単にアプリケーション配信の安定化や高速化、安全性が実現できる」としている。

 また、他社との差別化を図っていくため、ネットワーク系SIerを販売代理店として確保していることに加え、アプリケーションサービスを含めたサーバーシステムの構築に強いベンダーとのアライアンスに力を入れている。アプリケーション開発者向けサイト「F5デブセントラル」をワールドワイドで提供しており、「当社の製品とアプリケーションベンダーのソフトが自動連携する環境も整えている」という。同サイトの提供は英語版だけだが、「近い将来に日本語版のコンテンツも提供する」予定。