自治体OSSの利点、問題点も公開

 情報処理推進機構(IPA、藤原武平太理事長)は、上期(2006年4-9月)の事業報告をまとめた。情報セキュリティ対策やIT技術者育成、先進的ソフトウェア開発環境の整備を骨子とした事業を推進、上期までの成果を公表した。

 情報セキュリティ対策では、暗号関連製品のモジュールが適切に機能しているかを試験・認証する制度「暗号モジュール試験及び認証制度(JCMVP)」試行運用の受付をスタートさせたことがもっとも大きな成果。暗号化製品は、各メーカーから製品が販売されているが、データを適切に保護しているかを試験する制度はこれまで日本になく、各製品の信頼性は不透明な状況にあった。米国ではすでに暗号モジュールの安全評価および認定取得制度である「CMVP(暗号モジュール評価プログラム)」があるが、日本の取り組みは後れていた。

 また、「情報処理技術者試験」のなかにセキュリティ技術の知識を問う専門試験「テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)」を追加。初めてセキュリティに特化した内容を加えた。

 IT技術者育成事業では、IT技術者のスキルマップである「ITスキル標準」を初めてバージョンアップし「ITSS ver.2」として4月1日に公表。7月にはITSS ver.2が定めた職種ごとに修得すべき研修項目を明示した「ITスキル標準 V2 研修ロードマップ」を発表した。これにより、IT技術者育成の具体的な戦略立案や、ITSSに対応した教育プログラムの設計をベンダーが行いやすくなった。

 ソフトウェア開発環境の整備では、今年1月に発足した「オープンソースソフトウェア・センター(OSSセンター)」の成果として、オープンソース情報データベース「OSS iPedia」を5月に一般公開した。公開以来、アクセス数は1日平均約1万3000件で、7月末時点で累計約105万件を記録した。

 また、自治体のOSS活用推進プロジェクトとして、北海道札幌市、栃木県二宮町、大分県津久見市、沖縄県浦添市の4自治体で、約400人の職員の協力のもと、OSSを活用したクライアントコンピュータの導入実験を行った。その成果についてまとめ、OSSの利点や問題点を公開した。

 下期以降も上期の重点事業として掲げる3分野を引き続き強化する方針で、具体的な施策については約1か月後までには作成する計画を示している。