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内田洋行 主力ERPの会計領域を強化 個別原価管理システムを投入

2006/09/25 18:02

週刊BCN 2006年09月25日vol.1155掲載

内部統制強化で需要拡大

 内田洋行(向井眞一社長)は、主力とするERP(統合基幹業務システム)「スーパーカクテル」シリーズの会計領域を強化する。財務会計システムと一体的な運用が可能な個別原価管理システムを9月20日から投入。内部統制の強化などを受けて「損益管理をより徹底したい」というニーズを反映した。販売管理システムの領域ではトップクラスのシェアを誇っており、会計領域においても機能強化を図ることでシェア拡大を目指す。

 個別原価管理システムはコンテンツ制作やソフトウェア開発などプロジェクト型の原価管理として広く使われている。これまで販売管理や生産管理と連動するケースが多かったが、内部統制の強化が2008年4月以後開始する事業年度から適用されることを受けて、「財務会計の側で個別原価管理を行いたいとする需要が高まっていた」(森谷秀樹・情報システム事業部第2ソリューション営業部部長)という。

 スーパーカクテルシリーズ最新版の「スーパーカクテルデュオ会計」と連動するモジュールとして個別原価管理システムを業界に先駆けて投入することで、会計分野でのシェア拡大を狙う。価格はスーパーカクテルデュオ会計と個別原価管理システムの基本セットで350万円から。今後1年間で100セット、約4億円の販売を見込んでいる。

 販売管理や生産管理システムなど現場に近いところで個別原価管理を行う従来の方法では、財務会計システムとのデータの受け渡しや、会計との間で数字の誤差が生じる可能性があった。内部統制上の観点から、「重要な損益データを会計の外側につくらないようにしたい」というニーズが高まっており、会計アプローチによる個別原価管理システムの開発に至った。

 会計の側で適正利益を確保しているかどうかを常に監視することで、プロジェクトの不採算化を未然に防ぐ効果も期待できる。

 現場サイドでの作業工数などの入力は、通常のインターネットブラウザから行うことができる。特別なソフトをインストールする必要はない。入力データは会計システムへダイレクトに送られるためデータ変換などは必要なく、万が一ミスがあっても早期に発見できるようにした。
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