日立製作所(古川一夫社長)は、NGN(次世代ネットワーク)関連事業の強化で、2005年度(06年3月期)に3400億円だった情報・通信グループの売上高を、10年度に5000億円まで引き上げる方針を打ち出した。グループ会社の再編を実施し、製品開発をはじめ、システムエンジニアリングや販売を強化した。これにより、NGNをベースとしたトータルシステムの提供拡大を図っていく。当面は、NTTなど通信事業者からの受注獲得に力を注ぎ、08年度から法人市場での顧客開拓にも着手する。

 10年度売上高として掲げる5000億円の内訳は、通信事業者分野で2200-2300億円(05年度は1700億円弱)、法人分野で2300億円前後(同1800億円弱)、両分野での新サービス提供で約500億円(同ゼロ)。各分野の売上見通しを達成するため、日立グループでは大幅な事業再編を実施した。

 10月1日にコンピュータ系エンジニアリング会社の日立インフォメーションテクノロジーと、通信系エンジニアリング会社である日立ハイブリッドネットワークの2社を合併し、「日立情報通信エンジニアリング」を設立。新会社は、06年度の売上高で約700億円を見込んでいる。国内最大級のエンジニアリング会社としてシステム構築力を向上させていく。

 NGN関連製品の販売やシステムの提供を強化するため、グループ間で分散していたネットワーク関連事業を子会社の日立コミュニケーションテクノロジーに集約。ほかにも、アラクサラネットワークスと連携し、NGNシステムに適したスイッチやルータのラインアップを増やしていく。

 執行役常務の高橋直也・情報・通信グループ副グループ長兼CTO(最高技術責任者)は、「日立グループでは、約1万人がネットワーク分野に携わっている。この人員体制を最大限に生かすために開発力とシステム構築力を集結させた。(ネットワーク事業の主要組織である)ネットワークソリューション事業部を核に真の総合力を発揮し、売上高5000億円を必ず達成する」としている。

 NTTを中心に、今年10月から通信事業者によるNGNシステム構築のトライアルが始まっていることから、まずは通信事業者に対するシステム受注でNGN事業を成長軌道に乗せる。竹村哲夫・情報・通信グループCOOは、「新技術を駆使してソリューションを提供していく」計画。具体的には、光ファイバー通信技術「WDM」搭載のOXC(光クロスコネクト装置)やIPネットワーク対応のハイエンドエッジルータ、ギガビットFTTHサービスの提供が可能な「GE-PON」ベースの光アクセス関連機器、ワイヤレス通信技術仕様「1xEV-DO」準拠の基地局制御装置などを提供していく。

 サービスプラットフォームでは、ネットテレビ端末向けサーバー「Video.tv/Lite」ベースの映像配信システムを9月から提供開始した。販売では、「通信事業者に対する多くの納入実績を生かす」(竹村グループCOO)としている。

 企業向けシステムの提供は、「通信事業者によるシステム導入のめどが立つ08年度以降から本格化させる」(高橋副グループ長兼CTO)という。IPテレフォニーをベースとしたシステムやサービスのラインアップ増加や、業務システムとの連携によるアプリケーションソフトのASP化など新サービスも創造していく考えだ。