リコー(桜井正光社長)は、米シスコシステムズ製品と相互運用可能な製品を提供する同社プログラムの認定を取得した。シスコ製品で構築した企業IP網に、リコーのIP対応の「IP-FAX」をシスコ認定で直接接続して利用できるようになった。従来、「IP-FAX」は通信機器メーカーの接続性が検証されず、IP網と別に通常の電話回線で利用されていた。今回の認定で、「高速・高画質・通信費ゼロ円(構内網)」でFAX送受信の利用を加速させる。電話回線利用のFAXで懸念されていた情報漏えいの危険性も減少する。リコーはこの取得を機に、シスコ日本法人のチャネルであるNIerなどと、販売やシステム構築などで連携を強化する。同認定は、「IP-FAX」関連で世界初となる。

 シスコのプログラムは、音声・データ・映像コミュニケーション製品やアプリケーションを統合したシステム「Cisco Unified CallManager Ver4.1(CUC)」に関連する相互運用可能なソリューション開発を提供する「Cisco Technology Developer Program(CTDP)」。この認定では、リコーの「IP-FAX」搭載のデジタル複合機(MFP)「imagio MP C3000/C2500シリーズ」とビジネスFAX機「RIFAX ML4600S」が取得した。

 この取得により、データや音声(VoIP)の通信インフラをIP網に移行し、CUCで制御してPBX(構内交換機)を廃止できる。これまでは、企業内がIP網で整備されている企業でも、通常電話網で利用するFAXや「IP-FAX」でさえ、特別にPBXを設置し、電話回線で送受信していた。しかしシスコの認定後は、CUCとVoIPゲートウェイを経由して、社内IP網で送受信ができるようになる。これにより、最大A3判(最大600dpi)までの高画質で送ることが可能になり、通信費が不要になるメリットが生まれる。

 加えて、シスコのセキュリティ機器で守られたIP網を利用するため、電子メールと連携させパソコンにカラースキャンデータを送信でき、受信FAXを機器から電子メールでパソコンに転送するなど、セキュア環境で文書管理を効率化できるという。

 リコーの明泰治・商品計画室商品計画1グループリーダーは「これまで、『IP-FAX』搭載のMFPの場合は、IP回線と別にFAXのためにアナログ電話回線を引く必要があった。『IP-FAX』普及へ弾みがつく」と明るい見通しを語る。同社は2002年5月から、順次「IP-FAX」と、これを搭載したMFPを発売し、全出荷台数の5-6割に達している。しかし、IP網で利用される「IP-FAX」は、出荷数の1割程度と低く、これを拡大するために通信機器メーカーとの連携が必須となっていた。これを機に、シスコ日本法人のチャネルであるNIerとの連携を積極化するほか、グループ会社で通信機器を扱うリコーテクノシステムズでも「IP-FAX」の取扱量を増やし、金融機関などを攻略する方針だ。