NEC(矢野薫社長)は、自社開発セキュリティソフト「InfoCage(インフォケイジ)」シリーズの機能強化を図り、ラインアップを増強して11月から順次販売を開始する。シリーズを構成する各製品の連携機能を強化した「協調型セキュリティ」という新コンセプトを提唱。部分的対策ではなく、サーバーやネットワーク、クライアント端末すべてを情報漏えいと不正アクセスから守る総合的セキュリティ対策を前面に押し出した。他社に比べて出遅れた自社開発セキュリティソフトだが、新コンセプト、新製品体系により巻き返しを図る。発売後3年間で600億円の売り上げを狙う。

 新インフォケイジのラインアップは、「Client」「File」「Server」「Network」「Management」の5シリーズにした。従来は「クライアント」「ファイル」「サーバー」の3種類だった。新たに加えたNetworkでは持ち込みPCの検知と遮断などの検疫機能を提供。Managementでは各クライアントの認証IDやアクセス権限、ログを統合管理する。新製品2モデルは、NECのセキュリティソフト「CapSuite(キャップスイート)」の技術を使ったほか、連携させるためのソフトウェアを追加開発した。

 新コンセプトとして打ち出した「強調型セキュリティ」とは、インフォケイジの各製品群が自動的に連携を取り、あたかも1つのソフトウェアでネットワークとデバイスのセキュリティ対策を実現する考え方だ。たとえば、ClientとNetwork、Managementが連携して、ウイルス感染したPCが社内ネットワークにアクセスした場合、そのPCを一時遮断しウイルスの駆除や最新のセキュリティソフトの状態に変更した後、ネットワークへのアクセスを許可する。管理者にはアクセスがあった場合に警告し、一連の操作情報を保存することが全自動で行える。

 新コンセプトを立案した則房雅也・第一システムソフトウェア事業部(セキュリティグループ)エグゼクティブエキスパートは、「ユーザー企業は、部分的に導入してきた各セキュリティ対策製品・サービスが増え、管理が複雑で手間のかかる状況になっている。統合型、つまり各製品が自動的に連携する協調型こそがユーザー企業のニーズにマッチしている」と説明する。

 新体系では、Clientを11月に投入するのを機に、順次販売を開始。来年度上期までに全ラインアップを発売する予定だ。発売後3年間で600億円の売り上げ目標達成のために、インフォケイジに精通する担当者を現状の60人から07年度末までに300人まで増強させる計画。直販だけでなく、代理店経由の販売を促進すために、代理店への教育や販売支援も活発化させる。