全国の工業高校生が一堂に会して、技術・技能を競い合う第6回「高校生ものづくりコンテスト全国大会」が11月11-12日の2日間、埼玉県行田市のものつくり大学で開催された。主催は社団法人全国工業高等学校長協会。「高校生技能五輪」「ものづくりの甲子園」と評され、工業高校生のものづくりへの情熱と高い技術を披露する絶好の機会となっている。

 今回は、「第16回全国産業教育フェア埼玉大会」の一環として、全国10ブロックの地区予選を勝ち抜いた81人が、旋盤作業、自動車整備、電気工事、電子回路組立、科学分析、木材加工の7部門で熱い戦いを繰り広げた。なお、電子回路組立部門で優秀な成績を収めた学生は、BCNが主催する「BCN ITジュニア賞」の有力候補としてノミネートされる。

 

 電子回路組立部門では、ハードウェアの組み立て技術だけでなく、回路設計、ソフトウェアの組み込み技術を総合的に競うのが特徴。前々回までは、ハンダ付けといった組み立て技術のみであったが、前回からプログラム制作を課題に取り入れ、実社会でニーズ高い組み込み技術の習得を目指す。

 

 2日にわたって競技を行うのは電子回路組立部門のみ。静かな張り詰めた空気が会場を満たすなか、各ブロックの予選を勝ち抜いた実力者10人が熱い戦いを繰り広げた。課題はいずれも当日に発表された。1日目には、支給された部品を用いて、制御対象回路図と規格を参考に回路を1時間30分の競技時間内に製作する。回路には7セグメントLEDの点灯回路や、ステッピングモータの駆動回路などが含まれている。組み立て技術ではハンダ付けの状態、部品の損傷などが審査のポイントとなった。

 

 2日目は、入力回路を設計、製作するとともに持参したコンピュータと組み合わせて、一つの動作するプログラムを完成させる。スイッチを1回押して離すとステッピングモータが反時計回りに回転するといった課題や7セグメントLEDの表示とステッピングモータの動作を組み合わせた課題などプログラムは全部で7問出題された。プログラミング技術では、動作、プログラムの完成度・構造などが審査された。

 

 優勝したのは、長岡県松本工業高等学校電子工業科2年の小口宏之さん。緊張のせいか、実力を出し切れなかった選手もいた中で、2日目のプログラム課題7問すべてに正解し、2年生ながら他の選手を圧倒した。小口さんは、「プログラム自体は難しくなかった。ステップモーターの動作は事前に練習をしていた。トラブルはあったが、プログラムがきちんと動いてよかった」と感想を語った。なお、優勝した小口さんには厚生労働大臣賞が授与された。

 

 2位には北海道帯広工業高等学校電気科3年の松木将大さん、3位には鳥取県米子工業高等学校コンピュータテクノロジー科3年の岩田貴志さんがそれぞれ入賞した。

 

 審査委員長である東海大学情報理工学部ソフトウェア開発工学科の大原茂之教授は、昨年よりも参加者のレベルが大幅に伸びているという。また、「まずは工程が守られているかということが大切。自分の頭の中に入っているだけでは、他の人に引き継いだりすることができない。工程が守られている中で自分の技術を発揮することが重要」と講評を述べた。