【北京発】2006年の中国家電業界を振り返ると、技術標準関連の話題が多い1年となった。特に、デジタルテレビでの技術標準の発表は、市場を活気づける好材料となったほか、洗濯機やエアコン業界では、より高いクォリティが要求されるようになった。中国市場は、活気を生むばかりでなく消費者の意識にも大きな変化が現れている。

 中国では「春節」(旧暦のお正月)を控え、昨年1年の出来事を振り返る話題が相次いでいる。06年の中国の家電業界の話題5つを取り上げ、業界動向を振り返ってみることにしたい。

 まず、話題となったのは、やはり技術標準関連である。

 06年3月に情報産業部は、デジタルテレビの受像機器に関する25項目にわたる技術標準を発表した。そのなかのディスプレイに関する標準で、プラズマテレビや液晶テレビなど高精細度テレビと認定される場合の有効走査線数が決定した。

 これまで中国では高精細度テレビの定義が明確でなかったために、市場では混乱が生じており、業界からも早急に規定を求める声が上がっていた。

 2つめはデジタルテレビ技術標準である。5年にわたったデジタルテレビの技術標準問題に、06年8月、終止符が打たれた。これまで清華大学のDMB-T標準と上海交通大学のADTB-T標準が対立していたが、最終的には融合方式を採用することに決まった。この決定を受けて、関連業界も動きはじめ、モバイルテレビ・車載用テレビ業界が動き始め、今後大きな成長が見込まれると期待されている。

 3つめは、中国がプラズマディスプレイ(PDP)パネルの生産に踏み切ったことだろう。7月に大手テレビメーカーの長虹電子と虹彩電子が共同出資でPDPパネルの生産開始を発表した。建設が始まったPDP生産ラインの初期投資は3億ドルで、08年3月の完成予定、総投資額は8億ドルになるといわれている。また、上海広電電視と京東方科技集団、昆山龍騰光電も共同で、TFT-LCD事業の統一プラットフォームを設立することを明らかにするなど、先行する日本・韓国・台湾のメーカーに対抗する動きがある。

 4つめは、洗濯機にも効率表示が義務づけられるようになったことである。9月に国家発改委員会は「エネルギー効率表示管理法」を公布し、洗濯機のエネルギー効率表示を07年3月1日より義務づけ、省エネルギー化を進めると同時に、メーカーに対してクォリティの向上を求めるようになった。しかし現状では、法が求める基準を満たすことは、かなり難しい状況にあると言わざるを得ない。

 そして最後は、エアコンの販売量が初のマイナス成長になったことも見逃せない。9月に発表された「中国家庭用エアコン市場白書」によると、05年8月-06年9月の国内販売量は2483万6000台と、前年度に比べて7.9%下落した。この主な原因は、国内のエアコン市場はすでに高度成長期を過ぎたことや、一部の都市では飽和状態になっていること、そして原材料価格の上昇に伴い製品価格が高騰したため消費者が購入を控えたこと、冷夏の影響などがあげられている。

 オリンピックイヤー(08年)を控えた07年の家電業界には、どんな話題が登場するのであろうか。中国の動きには目が離せない。
行武良子(サーチナ総合研究所)