【北京発】これまで迷走を続けてきた米・グーグルの中国進出。ここ数か月の間に、中国・台湾・香港の携帯電話事業者との提携を相次いで発表し、中華エリアでの事業展開を加速させている。グーグルの進出は、3G時代の到来をにらみ事業を展開する中華エリアの通信事業者にとっても、願ってもない朗報となった。

 米・グーグルの中華エリアでの動きがあわただしい。2006年12月26日に中国の大手通信キャリア・中国移動(チャイナモバイル)は、米・グーグルとの提携を年明けにも発表することを明らかにした。

 この提携は05年6月に、グーグルCEOのエリック・シュミット氏が中国を訪問し、中国移動の董事長・王建宙氏と秘密裏に面会した際に、すでに大筋の提携が決まっていた。

 グーグルが本格的に中国に進出したのは05年の10月で、当時の戦略は3つあった。ひとつは、製品とサービスを現地化させるため中国での研究開発。2つめは、中国の市場を熟知しているパートナーと手を組むこと。3つめが本・ゲーム・音楽などの周辺産業との協力関係を築くことであった。

 米・グーグル本部は、中国化のため中国名を「谷歌」(中国語のローマ字表記)は「Guge」に変更し、中国当局が行っているネットへの検閲に対して進んで受け入れる意向を示して、積極的に中国化を進めた。

 また、提携を見据えて購入していた中国検索サイト大手・百度の株式を06年6月に売却。この売却劇がグーグルの迷走を印象づけたが、その後、グーグルは新しい提携の方式を模索し続けていた。

 中国大陸のみならず、台湾・香港の通信事業者とも協力関係を強化している。

 台湾では大手通信キャリアの中華電信と提携し、07年1月からモバイル検索サービスをスタート。また、LBS(LocationBasedService)やモバイル広告サービスも含めた合資会社を設立する計画もあり、今後も積極的に提携していきたい様子だ。

 台湾のモバイル事業者の06年の営業収入は2―3%の減少となっており、グーグル検索を導入することで、付加価値サービスの利用を拡大させ、3Gサービス利用にスムーズに移行させるとともに、将来的にはUMPG、PDA、PGAなどの潜在顧客も開拓していく計画である。

 香港での提携先は、ハチソン・ワンポアである。グーグルとは昨年1月にすでに提携しており、年末にはハチソン・ワンポワ傘下の「3」グループが、世界に先駆け発売した「X-Series」で、スカイプ・メッセンジャーサービスのほかに、グーグル検索・ヤフー検索なども利用できるサービスをすでに発表している。「3」グループは、世界11か国で3Gライセンスを取得しており、今後世界的な展開を目論んでいる。

 グーグルは3G時代の到来を好機とみてアジアの開拓を続けそうだ。
行武良子(サーチナ総合研究所)