ワコム(山田正彦社長)は、パソコンメーカーに対するタブレットOEM提供のコンポーネント事業の売り上げを、年平均30-40%まで引き上げる方針を掲げた。マイクロソフトの新OS「ウィンドウズVista(ビスタ)」でタブレット搭載のパソコンが増えるとみているためだ。電子ペンと指での操作が可能な新技術「ペナブル・デュアルタッチ」も売上高を伸ばす柱の1つとして成長軌道に乗せる。

 タブレットのビジネスは現在、売上高が同社ブランドの製品販売で80%と比率が高く、パソコンメーカーへのOEM提供が20%にとどまっている。嘉本秀年・執行役員コンポーネント統括ジェネラルマネージャーは、「1月30日発売の『ビスタ』で電子ペン活用のニーズが一段と高まる。そのため、パソコンメーカーがタブレット機能を搭載したモデルを次々と発売するだろう。当社のコンポーネント事業にとっては、ビジネス拡大の追い風が吹いている」とみている。「ビスタ」には、「ホームベーシックエディション」以外にはタブレット機能が搭載されている。そのため、ユーザーが気軽にタブレットを利用できるようになる。パソコンメーカーにとっても、「ウィンドウズXPタブレットPCエディション」のように通常OSとは別の使用権を購入する必要がなくなるため、「タブレットPCモデルのラインアップを充実させるのではないか」と予測している。

 また、同社は電子ペンと指の両方で操作が可能な「ペナブル・デュアルタッチ」を開発。同技術により、電子ペンで手書き注釈やテキストに書き込めることに加え、指で画面スクロールが行えることが特徴。これまでデュアルタッチは、電子ペンと指の両方を感知する恐れがあるため実現が難しいといわれていたが、電子ペンを感知する電磁誘導方式センサーで指タッチが可能な抵抗膜センサーを制御することで可能にした。「この技術で、マウスやキーボードでパソコンを操作しなくてもよくなるため、高齢者や小学生など、ユーザー層が広がる」との見通しを立てている。