SIerの東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G、千田峰雄社長)は、ERP(基幹業務システム)のユーザーインターフェース(UI)にマイクロソフトの新版オフィスシステムを積極採用する。ERPとオフィスとの間は業界標準のXMLでつなぐ。ユーザーの操作性を高めるためにUIのカスタマイズを行うケースは多いものの、これまで時間やコストがかかることが課題だった。ERPとオフィスをXMLで結ぶことで、より迅速で柔軟なカスタマイズが可能になる。

 オフィス連携ではXML対応が進んでいるSAPとの組み合わせを優先させる。B-EN-Gは異なる業務アプリケーションモジュールをXMLで連携させる技術SOA(サービス指向アーキテクチャ)の開発機関として「エンタープライズSOAコンピテンスセンター」を昨年10月に開設。今回のオフィス連携に必要な技術を独自に開発した。

 SOAは技術的にまだ新しいこともあり、比較的新しいバージョンのERPでしか対応できない。オフィスは昨年末に発売された最新バージョンでないと「スムーズな連携は難しい」(飯田士郎・ソリューション事業本部営業本部第1営業部部長)という。

 新バージョンの製品を売り込みたいSAPやマイクロソフトと、これに自社の強みであるSOA技術を駆使して競合する他のSIerとの差別化を図りたいB-EN-Gとの思惑が一致。共同でセミナーを開催するなどより密接な協力関係を進めることで需要喚起に取り組む。

 2月15日にはSAPとオフィスのXML連携の技術をパッケージ化したB-EN-Gのオリジナル製品「B-Triplex(ビー・トリプレックス)」の販売を開始。ERP事業の拡大を狙う。

 業務プロセスの標準化に重点を置くSAPなどのERPパッケージソフトは、より多くの顧客が使えるよう様々な機能を取り込んできた。例えば入力画面では多数の入力項目から構成され、顧客によっては一枚の伝票データを入力するのに複数のタブをクリックしてページをめくる必要があった。

 ビー・トリプレックスでは顧客が必要とする項目を表計算ソフトのエクセルなどに呼び出すことで作業効率を高める。XMLで連携しているため項目の変更や追加も容易にできる。UIを個別に開発するよりもコストがかからないメリットもある。また多くのユーザーが使い慣れているエクセルなどオフィス製品をUIに持ってくることで使い勝手を向上させ、操作の習熟にかかる時間を短縮させる効果も期待されている。

 ERPなど業務アプリケーションのSOA化は、カスタマイズや手直しにかかるコストの軽減につながることから「顧客からの引き合いは強い」と手応えを感じている。同社の今年度(2007年3月期)連結売上高は130億円の見通しで、このうちSAP関連事業はほぼ半分を占める見込み。主要な収益の柱のひとつになっている。得意のSOA技術を生かすことで同事業の拡大に弾みをつける考えだ。