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米ファウンドリー SP向け事業の売上高を2倍に 日本のNGN事業が追い風

2007/03/19 19:58

週刊BCN 2007年03月19日vol.1179掲載

 米ファウンドリーネットワークスが通信事業者などサービスプロバイダ(SP)向け事業の拡大を図る。通信事業者の次世代ネットワーク構築が追い風となり、同事業の売上高が昨年度(2006年12月期)第4四半期には前年同期と比べ2倍に拡大。今年度は通期で2倍の伸び率を達成する見通しを示した。事業拡大には、日本市場でのNGN(次世代ネットワーク)ビジネスが大きく寄与するようだ。

 現在、SP向け事業の売上構成比は全体の25-30%で推移する。一昨年度までは法人向けを中心に事業を手がけていたが、「一気にSP向け事業の売り上げが伸びた」(ケン・チェン・バイスプレジデント)。ワールドワイドでは、SPによる次世代ネットワークシステムの構築が進みつつある。そのなかで、「英国ブリティッシュテレコム(BT)へのシステム提供が大きなビジネスになった」としている。

 同社の強みは、10ギガビットのイーサネットスイッチ。「10ギガビットに特化し、他社に先行して市場に投入していることから、安定性の面で顧客から信頼を得ている」と強調。しかも、市場では通信事業者がNGNシステムの構築で音声やデータ、映像などを組み合わせた“マルチプレイサービス”の拡充に力を注いでいる。「システムを刷新しなければならないSPが多いことから、次世代ネットワークがSP向け事業拡大の追い風になる」とみている。

 なかでも、日本市場については「高速ブロードバンド環境が整備されていることから、新しいサービスに対するユーザーのニーズが高まっている。これにともない、通信事業者が世界でも類をみないサービスの提供に向けて、システムを構築しようとしている。次の成長に“うってつけ”のマーケット」と判断している。日本では三井物産と販売代理店契約を結んでおり、「三井物産グループとのパートナーシップを深めていく」意向。

 SP向け事業の拡大は、新システム構築のノウハウを法人向け事業に生かすことも狙いとしている。案件を多く受注することが同社全体の業績拡大につながるといえそうだ。
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