SIとNIの両面を手がけるエス・アンド・アイ(松本充司社長)がスマートフォンを活用したモバイルセントレックスシステムの提供を開始し、IP電話を中心としたIPコミュニケーション事業を強化した。中小規模の一般オフィスをユーザー企業として開拓、来年度(2008年3月期)はIPコミューション事業の売上高を現状の2倍以上となる3億5000万円まで引き上げる。

 同社はノキア製スマートフォン「E61」を中心にモバイルセントレックスシステムを提供する。同システムの強みは、スマートフォンをオフィス内で内線、外出先で3G携帯として使えるという基本機能に加え、(1)リアルタイムでの社員在席情報やスケジュールの確認(2)離席や外出時に内線着信を自動的に外線やボイスメールに転送(3)ブルートゥースでのヘッドセット利用やプリンタ出力(4)チャット──などが行える点。村田良成・インテリジェント・コミュニケーション事業部第一営業部長は、「通話をはじめ複数のアプリケーションサービスを1台のスマートフォンで行えることで、ユーザー企業はビジネスの生産性が向上する」と利点を説明する。なかでも、モバイルセントレックスの機能にチャットを搭載していることが、差別化要素となっている。「どうしても連絡をとりたいという場合、通話感覚でメールができるチャットは、大きな威力を発揮する」とアピールしている。

 同社は、昨年から中小向けIPコミュニケーション事業に着手。社員500人以下のオフィスを中心に約20件のシステム案件を受注した。村田部長は、「この事業を手がけることで、ユーザー企業の社内IP化を推進できた」という。昨年までは、固定のIP電話が中心だったため、アプリケーションサービスに対するニーズが少なく、インフラ整備が中心だった。「携帯端末であれば音声IP化だけでなく、さまざまなアプリケーションサービスを導入したいというユーザー企業のニーズがあった」ことから、モバイルセントレックスシステムの提供開始に踏み切った。

 現段階では、IPコミュニケーションで獲得したユーザー企業に対して付加価値サービスとしてモバイルを提案している。今後は、モバイルセントレックスシステムを前面に押し出すことで新規開拓を図っていく。拡販の面では、「モバイル関連事業は、担当部署のインテリジェント・コミュニケーション事業部だけでなく、他部署横断のプロジェクトになっている。コンバージド・プラットフォーム事業部でミドルウェアの開発など、新しいアプリケーションサービス提供に向けた準備を進めている」段階だ。