日本IBM(大歳卓麻社長)はアウトソーシングサービスメニューを拡充する。標準化した業務プロセスを当てはめる簡易な「ビジネスプロセスサービス(BPS)」を新たに始める。従来は顧客の業務プロセスを根本から見直す大規模なアウトソーシングサービスを主軸に据えてきたが、対象顧客が大企業などの一部に限られることが課題だった。BPSではこれまで蓄積したノウハウのなかから標準化できるプロセスを切り出して提供する。ユーザーにとって導入の敷居が低いことが利点で、今年中に100社あまりからの受注を目指す。

 顧客企業のビジネスプロセスを革新する切り札として日本IBMは2004年からアウトソーシング事業を本格化させた。三井生命の営業事務など大手企業を中心におよそ20社、30件の実績を積んできたが、大規模なビジネストランスフォーメーション(業務改革)を伴うため、導入に当たっての敷居が高かった。

 こうした課題を踏まえて同社ではアウトソーシングのモデルを3段階に区分けする。ビジネスプロセスを変革する最上位のモデルを「ビジネストランスフォーメーションアウトソーシング(BTO)」、ビジネスプロセスを改善する「ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)」、そして今回のBPSでは「ユーザーのすそ野を広げる」(遠藤隆雄・常務執行役員BTO事業担当)ことを念頭に置きながら受注件数の拡大を推し進める。

 BPSでは日本IBMが標準化した業務プロセスに顧客の業務を合わせることでサービスの納入期間を短縮。早ければ数か月でサービスを提供でき、従来に比べて多くの顧客からアウトソーシングを受注できる。またBPSの利用のみにとどまっている顧客でも、将来的により踏み込んで業務プロセスを改善したり、変革させたい要望が高まれば、上位サービスのBPOやBTOへ移行してもらうことも可能。まずはすそ野を広げ、ステップアップできる仕組みを整えることによってアウトソーシング事業の拡大につなげる考えだ。