アライドテレシスホールディングス(大嶋章会長兼CEO)は、2007年度(07年12月期)からの5か年計画を発表、最終年度となる2011年度に現状の3倍以上となる売上高2123億円を掲げた。計画達成には、映像を中心にコンピュータとネットワーク両方のシステムを一括で提供する「IPトリプルプレイ」のビジネスを軌道に乗せることがカギになるという。大嶋会長兼CEOに同社の現状と成長戦略について聞いた。

 ──昨年度の業績は減収、営業損益が赤字に転落した。その原因は。

 抜本的にビジネスを見直したためだ。営業損益が赤字だったのは、IPトリプルプレイの研究開発に継続投資したことによる費用の増加が主な原因だ。昨年度で“大掃除”が終わったので、今年度はIPトリプルプレイ事業を核に成長する体制が整っている。確実に業績を伸ばせる。

 ──IPトリプルプレイに関しては、関連事業に着手するベンダーが増えている。競争激化との見方が強いが、他社との差別化は図れるのか。

 当社のIPトリプルプレイは、根本的に他社が提供しているものとは異なっている。それは、システムの設計から設置、運営・保守までを手がける「IP-GSP(IPグローバル・サービス・プロバイダ)」を実現しているためだ。IP-GSPになることで、特定エリアの個人・法人に対して、さまざまなIPアプリケーションやコンテンツを提供している。しかも、システム案件が大規模になり、業績の向上が期待できる。

 ──IP-GSPベースのビジネスで、実際に獲得したシステム案件は。

 ホテルやマンション、自治体など、さまざまな分野で案件を獲得している。最近では、米軍基地に対してIPTVをはじめとしたコンテンツ配信サービスを提供するようになった。IPTVに関しては、米IBMと欧州でサービスを提供するというアライアンスも組んだ。海外では、IPによる映像配信の需要が急拡大する可能性が高い。国内では、各地域のケーブルテレビとの提携でブロードバンドサービスを提供することも模索している。

 ──IPトリプルプレイ事業の売上目標は。

 今年度は94億円と低めに設定しているが、来年度以降は2倍前後で成長することを見込んでいる。2011年度には1198億円を目指している。

 ──スイッチやルータなど主力ネットワーク機器の販売については。

 基幹スイッチの低価格化など国内市場は厳しい環境が続いているものの、着実に伸ばしていくつもりだ。10ギガビットなど広域イーサネットへのニーズが高まっている。この分野への製品開発は他社と比べて後発だったが、今年度は製品ラインアップを揃えることで販売増につなげる。L2/L3スイッチ市場では、国内でシスコシステムズに次ぐシェアを獲得している。このシェアを維持していくつもりだ。