仮想化ソフトベンダー大手のヴイエムウェア(三木泰雄社長)は、今年に入って受注が急速に増えていることを明らかにした。昨年度(2006年12月期)のグローバルでの売上高は前年度比約83%増の7億ドル(約850億円)と急成長する一方で、国内ビジネスの立ち上がりはこれまで鈍かった。しかしここへきて大手SIerが相次いで販売を表明するなど広がりをみせている。数年後にはグローバルの売上高のうち7-8%を国内で稼ぐ見通しを立てる。

 昨年の段階で国内主要サーバーメーカー6社との協力関係を築き、仮想化ソフトのサーバーへの搭載率の向上に努めてきた。メーカーがヴイエムウェアの仮想化ソフトを標準でサポートするケースも増えており、販売パートナーであるSIerにとっても売りやすい環境が整った。これが追い風となって、国内における引き合いが「急速に増えている」(三木社長)という。本格的な成長期に入った手応えをつかんだようだ。

 仮想化の用途も広がっている。国内ではこれまで分散したサーバーを統合する用途が中心だったが、バックアップのコストや電力の節減、サーバーリソースの有効活用、シンクライアント用のバックエンドシステムに至るまで幅広い需要が出てきたこともプラスに作用している。大手SIerの日立ソフトウェアエンジニアリングは今年初め、自社のオンデマンドサービスのエンジン部分にヴイエムウェア製品を採用するなど、SIer自身が提供するサービスに仮想化技術を取り込む動きも出てきている。

 顧客やSIerなどの販売パートナーが急速に増えていることから、ヴイエムウェアでは日本語による24時間サポートを始めるなどサービス・サポートの拡充に乗り出した。「仮想化技術の認知度を高める段階から顧客満足度を高める段階へと移行した」と、顧客やパートナーの支援体制の強化を優先課題として位置づける。欧米市場では一足早くサービス・サポートを拡充しており、国内もようやく“実需”が追いついてきた格好だ。

 世界のソフトウェア投資に占める国内の比率は7-8%といわれていることから、数年後には同様の比率を国内で売り上げる目標を立てる。

 世界で出荷されるサーバーのうち仮想化ソフトが添付されているのは約4%と低く、「ビジネスが拡大する余地はまだ十分にある」と、今後も拡大基調が続くと予測する。今年度のグローバルの売上高が昨年度と同様に伸びたとすれば、ソフト開発会社大手の仲間入りの目安とされる10億ドル(約1200億円)を上回ることになる。米本社では今年夏をめどに本国で株式上場を目指すなど、より一層の事業拡大に向けた準備を着々と進める。