【上海発】7月18日、中国国家版権局と世界知的所有権機関(WIPO)の共催による「2007国際版権フォーラム」が北京で開催された。第2回となる今回は、「インターネット著作権保護及び産業育成」をテーマとし、グローバライゼーションを背景に、著作権保護がインターネット産業の育成や中国経済に及ぼす影響、健全な市場作りなどについて話し合われた。

 フォーラムは、午前中のメインフォーラム、午後の二つのサブフォーラムで構成された。サブフォーラムはそれぞれ「ネット出版における著作権保護」と「オンラインゲーム産業における著作権保護」をテーマとした。日本の文化庁国際課課長・亀岡雄氏はネット出版と著作権保護をテーマに講演した。メディアによると、中国、米国、EU、日本、韓国、シンガポールなど各国の政府機関、権利者団体、インターネット産業界、出版業界、学界から200人余りが出席したという。

 WTO加盟の条件として、米国をはじめとする先進諸国からプレッシャーをかけられ、短期間で知財保護レベルを向上させなければならないことが、中国における知財保護の取り組みの外圧となっている。

 一方、国内では、経済の急成長に伴い、人民元の切り上げ、人件費上昇、エネルギー不足、環境問題などの要因で、指導部は知的競争力向上の必要性を認識し、ようやく創造的な国づくりの戦略を打ち出した。特に、付加価値の高い著作権ビジネス(コンテンツ産業)は、米国、日本、英国、韓国などと比べてまだ産業として肩を並べられるものではない。知的産業育成の可否や、知財保護の必要性については、最近中国国内においていろいろな場で話題となっている。そのため、知財関連のフォーラム、シンポジウム、セミナー、展示会が数多く催されている。「国際版権フォーラム」は、この流れのなかで、著作権所管機関である国家版権局が主催したものの一つである。

 先進国における著作権ビジネスは、エネルギーを消費せず、環境も汚染しないうえに付加価値が高いため、大きな競争力があるとされている。深刻な国内問題に直面している中国こそ、まさにこの分野に一番高い優先度をつけて育成すべきビジネス分野だろう。しかも、中国固有の優位性として、歴史が長いことや、多様な社会形態(56もの多民族、都市部・農村部の差異、沿岸部・内陸部の差異等々)があげられる。コンテンツの題材は山ほどあり、日本や米国の企業は、中国発の素材を数多く利用している。

 いずれにしろ、今回の「国際版権フォーラム」のような議論の場を設けることは、著作権ビジネス育成の第一歩として有意義なことであるといえる。
魏鋒(ウェイ・フェン=ACCS上海事務所所長、shanghai@accsjp.or.jp)