生産性向上で差別化図る

 大手SIerのNECシステムテクノロジー(NECST)は、組み込みソフト向けの開発ツールやモジュールを拡充させる。組み込みソフト市場の拡大に伴い参入ベンダーが増加、競争が激化している。独自の開発ツールやモジュールの品揃えを増やし、生産性を高めることで差別化を図るのが狙いだ。

 同社はLSIやグラフィックアクセラレータなどハードウェアと密接にかかわる領域で多くの実績がある。この分野での「独自製品を増やす」(芝野良一・エンベデッドソフトウェア事業部長)ことで組み込みソフト事業を伸ばしていく考え。

 今年6月には携帯電話やデジタル家電向けのグラフィックアクセラレータ「GA88シリーズ」を製品化。ハードウェアでの処理を多用することで、描画能力を大幅に向上させた。今はまだ、描画方式のひとつであるベクター画像用の1種類だけを製品化しているが、今後3年間かけて10種類程度に増やしていくことで、同分野におけるシェア拡大を進める。

 また、LSIから組み込みソフトまで一貫して開発する新しいタイプの設計ツール「CyberWorkBench(サイバーワークベンチ)」を昨年6月に投入している。組み込み製品の小型化や省電力化には、LSI設計までさかのぼって見直すことが不可欠であることに着目したオリジナル製品である。

 LSI設計と組み込みソフトの開発をひとつの開発ツールで行えるのは他に例が少なく、「引き合いが急増している」(山内久典・主幹兼プラットフォーム統括本部CyberWorkBench事業推進室長)と手応えを感じている。

 昨年度(2007年3月期)の組み込みソフト関連事業は、前年度比で約2割増の200億円強に達した。全社売上高の伸びを上回る成長ぶりとなった。ハードウェア設計と組み込みソフト開発を一体的に推進できる強みを生かし、今年度も高い成長を目指す。