日本アバイア(藤井克美社長)が一般オフィス向け事業の本格化に乗り出した。IP電話機「Avaya one-X」ブランドで廉価版「Deskphone Value Edition 1600」シリーズを発売。他社製品と同程度の機能を低価格で提供することで、ユーザー企業を増やしていく。一般オフィス市場では、同社のシェアが低い。競合他社を追撃するため、戦略製品を投入した。

 新しく市場投入した「1600」シリーズは、無人受付や会議室など来客や複数社員の活用を想定した簡単操作が売りのローエンドモデル「1603」のほか、社員がデスク業務で活用するために必要な機能を搭載した「1608」、社員のなかでも通話業務が多い受付担当者や秘書向けにボタン1つでつなぐことが可能な「1616」の3モデルが用意されている。価格はオープンだが、「1603」で1万6800円前後、「1608」で2万9800円前後、「1616」で3万5800円前後。橋村信輝・CCD/AMSSD部門リージョナルプロダクトマネージャは、「国内PBXメーカーの製品と同程度の機能と安さに設定した。これにより、競合他社に対抗できる」としている。

 これまで同社は高機能を追求したIP電話機を市場投入し、コールセンターなど通話がメイン業務のオフィスで多くの顧客を獲得。国内IP電話機市場ではトップシェアを維持しているものの、一般オフィスへの導入は少ない状況だった。他社製品に比べて高価格であったことや、競合となる国内PBXメーカーがユーザー企業に対してIP-PBXへのリプレースにともなってIP電話機を提案・導入するケースが多く、「なかなか入り込めなかった」からだ。とはいえ、これまでは一般オフィス向けIP電話機市場が未成熟だったこともあり、この市場を攻略するための重点的な戦略を打ち出してこなかった。しかし、最近はデータと音声、映像の回線サービス“トリプルプレイ”に対するニーズが一般オフィスでも高まりつつある。そこで、「まずは当社ブランドを知ってもらう環境を整えることが重要」と判断。低価格帯モデルの市場投入に踏み切った。今年10月には組織を再編し、「ニーズに適したソリューション特化の組織や、ハイタッチ営業のチーム設置などの強化策を講じる」という。

 当面は、顧客であるコールセンターの一般オフィス部門に対して提案。「IP電話機を中心とした当社のソリューションを導入すれば、(すでにユーザーとなっている)コールセンターのシステムと互換性が高く、全社でIPテレフォニーシステムの効率的な運用管理が行えることをアピールする」としており、国内の大手PBXメーカーにシェアを押さえられているIP-PBXの乗り換えを促していく。

 需要が眠っているSMB(中堅・中小企業)に対しても低価格を武器に拡販を図る考え。「他社も開拓していないマーケットを掘り起こす」ことで、一般オフィス市場でもトップを狙う。