EMCジャパン(諸星俊男社長)は、2008年早々に営業部門を統一する。販売代理店への支援を手厚くすることが狙い。ユーザー企業への“ハイタッチ営業”などで顧客を開拓、代理店経由で販売する体制を整えることで、現在30%程度の売上比率である間接販売を、将来的には70%まで引き上げる方針だ。

販売代理店への支援手厚く
間接販売の売上比率を70%に

 同社の諸星社長は「現状の体制でパートナービジネスを急激に拡大することは難しい。改善策を打ち出すことが急務」であることを明らかにした。

 営業部門をどのような体制に再編するかは今後詰めるものの、「誰もが間接販売に携わるような体制にする。また、マーケットを幅広く網羅するため、業種やソリューションでチームを設置するなど部門の細分化も考慮に入れる」としている。

 同社が営業部門の統一を図るのは、「販売代理店への営業支援を一段と強化していかなければならない」と認識しているため。

 組織体制は、直販部門と間接販売部門に分かれているため、それぞれ業務に応じた営業を手がけているのが実状だ。しかし、直販の営業スタッフがユーザー企業からシステム導入に求める声を収集する場合もある。ニーズに対応するには、販売代理店の製品・サービスを組み合わせることが最適だが、直販部門の営業スタッフである関係上、営業成績に反映されないなどの点から販売代理店経由での販売を軽視する恐れがある。「直販の営業スタッフでも間接販売のノウハウを持っている」ことから、営業部門を統一することに踏み切った。

 最近では、ユーザー企業のトップなどに直接交渉する“ハイタッチ営業”でマーケットを開拓する手法で新顧客を獲得するケースが増えている。しかし、潜在需要に比べて、間接販売のスタッフが少ないため、マーケットを広く掘り起こせないというジレンマが生じている。ハイタッチ営業の人員を増やすためにも、直販部門のスタッフが間接販売も行える環境の整備が最適と判断した。来年早々の組織体制では、間接販売に携わる人員が150人規模になる。こうした強化策で、「直販が70%で間接販売が30%という売上比率をできるだけ早い段階で逆転させる」としている。

 日本法人の設立当初は直販を中心にビジネスを展開していた同社が、昨年度あたりから間接販売を重視するようになった背景には、「大容量のデータを蓄積できるストレージ機器の需要が確実に広がっている」ことがあげられる。なかでも、SMB(中堅・中小企業)市場の需要拡大が続いている状況だ。「国内屈指のSIerを販売代理店として確保することが重要」と指摘。現段階で15社程度の販売代理店を、間接販売の強化で「2倍に増やす」ことも計画している。

 また、ワールドワイドで進めているM&A(企業の合併・買収)で多くのソフトウェア企業などを傘下に収めていることも要因のひとつだ。ストレージ機器以外の製品を販売代理店に売ってもらうには、「当社営業スタッフによるバックアップが必要」というわけだ。さらに、同社では「保存」するためのストレージ機器に加え、セキュリティなどの「保護」、仮想化などの「最適化」、コンテンツ管理などの「活用」といった情報インフラストラクチャに最適な製品を揃えることで、事業拡大を図ろうとしている。

 国内ストレージ市場での同社のシェアは、現在1ケタ台といわれている。この点については「今のシェアは低すぎる。シェア拡大に向け、何としてでも現状を打破したい」との考えを示している。