ニュース

ブラザー工業 初の自社開発カラープリンタ発売 水平タンデムで省スペース化

2007/10/01 22:22

週刊BCN 2007年10月01日vol.1205掲載

 ブラザー工業(小池利和社長)は、同社初となる自社開発の新製品であるカラーレーザープリンタ4機種を開発し、家電量販店などを通じ販売を開始した。これを機に、新製品を含めカラーレーザーの単機能プリンタと複合機は新ブランド「JUSTIO(ジャスティオ)」に統一した。これまで、同社のカラーレーザーは、国産メーカーのOEM供給を受けて提供してきたが、さらなる小型化が求められ、3年前から自社開発を開始した。自社開発の水平タンデム・エンジンなどの採用で省スペース化を実現した新製品で、店舗のレジ周りなど全国のSOHO市場に売り込むため、地域ディーラーも開拓する方針だ。

 新製品は、A4機で印刷速度がカラー・モノクロとも20枚/分の単機能1機種と複合機3機種の計4機種。他社の同等機に比べ、高速印刷と世界最小サイズ(高さ48.2センチ)を実現した。エンジンは、一度に4色のカラー印刷ができる横方向に配置した水平タンデム方式を採用。従来のOEM製品だけでなく、「小型化、使い勝手、省スペース化が顧客から求められ、その要求に応えるうえで、自社開発が必至だった」(三島勉・情報機器事業部長)と、JUSTIOの製品群を順次、OEM製品から自社製品に切り替える方針だ。

 同社の“主戦場”は、スーパーや小売店など、店舗を持つSOHOなど小規模事業所市場。これまでもSOHO向けに単機能機と卓上型の複合機を販売してきたが、製品の中核はモノクロ機だった。今後は、新ブランドとともに、成長が見込めるA4カラーレーザー市場を積極的に開拓し、新製品4機種で年間1万2000台の販売を目指す。競合するセイコーエプソン、キヤノン、沖データなどと対抗して、国内シェア上位を狙う。

 現在、販売チャネルは全出荷台数の大半を量販店販売に頼っている。しかし、「狭いスペースで小型プリンタを必要とするニーズが増え、当社にチャンスがある」(三島部長)と、半分以上を地域ディーラー販売にして市場を拡大する計画だ。すでに、ダイワボウ情報システムと連携し、営業担当者が販売現場に同行する活動を開始。こうしたなかから、成功事例を生み出し、全国へ「横展開」する計画だ。
  • 1

週刊BCN特別連載企画
「パートナーと伴奏し、新たな価値を共創するネットワールド」

連載第1回 トップに聞くビジネス戦略とパートナー支援

× こちらから>>

連載第2回 オンプレミスの知見を生かした「クラウド移行の最適解」

× こちらから>>

連載第3回 複雑なセキュリティに対し充実したサポートと検証環境を用意、今後はAI保護に注力

× こちらから>>

連載第4回 AIビジネスの立ち上げを支援 企業独自のデータを取り込み課題を解決

× こちらから>>