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ビーエスピー・プリズム 運用管理と連携強化 帳票ライフサイクルをカバー

2007/10/22 22:22

週刊BCN 2007年10月22日vol.1208掲載

グループの強みを発揮

 帳票管理ソフト開発のビーエスピー・プリズム(古川章浩社長)は、情報システムの運用管理ソフトと密接に連携した製品づくりを加速させる。システム運用管理ソフト開発のビーエスピーグループに入ってほぼ1年がたつ11月にも、グループ入り後、初めての新製品を投入する予定だ。親会社の運用管理ソフトと一体的な動作を強化するもので、「グループの強みをより発揮する」(古川社長)ことで事業拡大を目指す。

 ビーエスピー・プリズムの帳票ソフトは、独自のファイル圧縮技術によって高速で印刷データをプリンタに送信できるのが特徴。大規模な帳票出力にも対応できる。一方、親会社のビーエスピーは情報システムの運用管理ソフトを主力商材としており、およそ1年かけて両社の製品を連携させる基盤開発に力を入れてきた。早ければ11月にも両社の強みを生かした新製品を出す。

 運用管理分野では、メインフレームやオープン系サーバーなどが複数混在した環境でも、一元的に管理できる技術を強みとしている。この技術を帳票出力分野にも応用。異種混在した環境においても「顧客の要望に応じたプリンタに出力できる」という。帳票分野ではウイングアークテクノロジーズなどが先行しているが、大規模システムの運用管理と一体的な動作が可能な帳票システムに仕上げることを武器にして追撃する。

 内部統制を強化する観点から、帳票の作成から出力、制作済みの帳票を電子的に保存して再利用に至るまでのライフサイクル全般を追跡管理するトレーサビリティ機能が求められている。ビーエスピーの運用管理技術をベースに、帳票にIDを割り振り、これをベースに“誰がどのような権限で帳票をどこに出力、利用したのか”などの管理機能を今後さらに強化していくことで差別化を図る。

 これまで、ビーエスピー本体は直接販売、直接サポートをメインにしてきたが、ビーエスピー・プリズムはプリンタメーカーやSIerなどとの協業がメイン。間接販売の比率はプリズムの売上高全体の7割程度を占める。間接販売チャネルは今後とも拡充していく方針だ。

 ビーエスピーは独自に設計した次世代運用コンセプト「LMIS(エルミス)」を打ち出し、かつ具体的な製品化計画も進んでいる。LMISではシステム開発から本番稼働、運用に至るまでトータルに管理し、ITライフサイクル全体をカバーするもので、プリズムの帳票システムもこのシステム基盤を活用していく。帳票システムの販売パートナーであるSIerに向けては、今後、ITライフサイクルに関する商材も扱ってもらう。これによりパートナービジネスのより一層の拡大を狙う。

 新製品の投入やITライフサイクル全体をカバーする次世代運用管理システムなどとの相乗効果を高めることで、帳票関連ビジネスでプリズムは年率10%程度の売り上げアップを目指す。
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