住商情報システム(阿部康行社長)は、金融機関向けのHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)「金融グリッド」の提供拡大を図る。システム案件の単価アップが狙い。すでに導入の可能性も出ている。その案件を獲得することで事業化を進める方針だ。

 住商情報と日本ヒューレット・パッカード(日本HP)、金融機関向けのアプリケーションに強いISVの3社が協業、金融機関を対象にHPCクラスタシステムの提案を進めている。

 住商情報ではHP製ブレードシステム「HP BladeSystem c3000」をHPCクラスタシステム「RockCluster」として製品化した。同製品は「c3000」が中小規模向けであることからも低価格が特徴で、金融機関に対しても導入が可能。すでに某金融機関に対して導入を勧めているところだ。その案件には、他社も受注に力を入れているため、獲得できるかは現段階で明らかではないが、「決まる可能性が高い。近く導入できるのではないか」(池直樹・プラットフォームソリューション事業部門IT基盤ソリューション事業部HPCソリューション部長)とみている。自信の裏づけは価格面の有利性にあるようだ。「RockCluster」ベースで提示するシステム構築費は10-20億円規模。ユーザー企業がコストダウンを図れることからも、HPCクラスタシステムとしてはかなりの価格競争力がある。

 HPCソリューション部では、「他社のソリューションよりも抜き出ている“とんがりビジネス”の追求」をコンセプトとして製品・サービスの提供に力を注いでいる。昨年2月には日本HPとの協業の一環として、「HPCソリューションセンター」を住商情報の本社内(東京・晴海)に設置した。これにより、HPCに関するシステムの検証やベンチマークを徹底的に行っていることで「ISVとのアライアンスも増えており、新しいソリューションの創造が実現できている」という。

 今後ニーズが高まるといわれている仮想化ビジネスについても、ヴイエムウェアやシトリックスに加えて自社で製品を開発。「他社にはない、独自の仮想化ソリューションを提供できる」としている。