ソフトバンクBBグループは、自社ブランド製品の店頭販売に着手する。まずは、年末までにパッケージ化したパソコンソフト15タイトルを投入、2008年3月以降の早い段階で100タイトルの品揃えを計画している。成熟化した国内パソコンソフトのマーケットに一石を投じる方針だ。将来的には、パッケージとダウンロード販売の両方を生かしたビジネスモデルの構築を視野に入れるほか、自社ブランドによるパソコン周辺機器の販売も模索する。

来春までにソフト100タイトルを用意

 「SoftBank SELECTION」のブランド名で、ソフトバンクBBはパッケージソフトを11月30日から市場投入、まずは10タイトルを発売する。価格はオープン。ソフトのカテゴリーなどで異なるが、ウイルス対策とスパイウェアを搭載したセキュリティソフトで2980円、パソコンゲームで1980円、画像編集で6980円、英会話で3780円などを目安とする。年末商戦では、計15タイトルで展開する予定。来年2月までに25タイトル、3月以降は100タイトルを揃える考えだ。子会社のBBソフトサービスが中心となって動いていく。

 ソフトバンクBBが自社ブランド製品を展開することについて、販売契約を結ぶ主要ソフトメーカーのほとんどが賛同したため、製品化が可能となった。溝口泰雄・取締役常務執行役員は、「流通事業をはじめ、携帯電話やインフラ、ネットサービスなどを提供してきたことから、ソフトバンクブランドの認知度が高まっている。メーカーと共同でソフト開発を行う時期と判断した」と語る。

 製品化までのプロセスは、マーケティングをメーカーとソフトバンクBBによる協業、製品開発をメーカー、製造はソフトバンクBB、販売促進と広告活動は協業、販売とカスタマーサポートをソフトバンクBBが担当。メーカーにとっては、ソフト開発に専念でき、サポートなどでコスト削減が図れることがメリットだ。ニーズや対象者、付加サービスを明確化したうえで、ユーザーが求める機能が一目で分かるパッケージデザインを採用することで購入を促す。サポートサービスでは、ヤフーBBやソフトバンクモバイルなどソフトバンクグループのコールセンターを活用することで、「トータルコストの削減にもつながる」。製品化までの流れやサポートサービスの効率化により、「赤字にはならない採算の合うビジネスモデルを構築した」と自信をみせる。

 BCNランキングによれば、パソコンソフト店頭市場の07年1-6月の販売本数は、前年同期比6.2%減。しかも、メーカー数が減少傾向にあるため「ニーズに合ったソフトが市場に出回っていない」といわれている。最近は、1980円など低価格ソフトが登場し、新規需要や、既存ユーザーによるついで買いなどが出てきてはいる。しかし、新規ユーザーが抱く第一印象はどうなのか。パソコンソフトに対して“こんなものか…”と失望してしまえば、リプレースを促せるかどうかは疑問だ。「自分が本当に購入したいソフトをユーザーが見逃している」。ソフトバンクBBは、こうした状況を打破し、市場の活性化を目指す。

 ソフトバンク直営の携帯電話専門店では、メモリやイヤホンマイクなど、自社ブランドで携帯電話関連のアクセサリーを販売、携帯電話の加入者拡大につなげている。パッケージソフトも、携帯電話と関連性のあるものを直営店で販売する方向だ。加えて、「自社ブランド製品を生かして販路を広げることも検討する」ほか「店頭とネットそれぞれに適したコンテンツの拡充を図っていくことで、最適なサービス提供を考えていきたい」との意向だ。さらに、ハードのパソコン周辺機器を自社ブランド販売することも「現段階では計画にないが、模索していく」としている。