三重県伊勢市に本社を置くITベンチャーのアイズ(川邊浩社長)は、指紋認証付きシンクライアント「iZE Thin Client」の販売を開始した。三重県内の教育機関などへ提供していた「TRANSPORTER」に、OS起動前に指紋認証する機能を追加。新規にシンクライアント専用端末を導入する必要がなく、中古パソコンなどで安価に利用できるため「需要が見込める」(川邊社長)と判断。製品名を改め全国販売する。現在、地域で活躍するSIerなどから、「1次販社」となるパートナーを募っている。

 「iZE Thin Client」は、専用端末や専用ミドルウェアで可能にするシンクライアントシステムでなく、中古パソコンやリースアップのパソコン(PC/AT互換機)とサーバーOS「Windows Server2003」の基本機能だけを使う安価で簡単な仕組みになっている。カーネルにLinuxディストリビューションの「KNOPPIX」を採用し、同社独自の技術で開発した国産商品であるため、専用ミドルウェアなどが不要なソフトウェアベースのソリューションだ。

 タイプは3モデルを用意。USBメモリで指紋認証後に起動する「セキュアUSBメモリ起動」(ソニーの「PUPPY」を推奨)、USBメモリを差し込み起動する「汎用USBメモリ起動」、ハードディスクを初期化して、同商品をインストール後に起動する「HDD起動」の3モデル。上記2モデルのUSBメモリ起動の場合、USBメモリをパソコンに挿入し、電源を入れるだけで、既存パソコンがそのままシンクライアントとして利用できる。HDD起動モデルは、メインメモリが64MBのパソコンでも動作でき、「Windows98」以降のOSが動作するパソコンであれば、シンクライアント化できる。

 三重県内では、自宅に持ち帰り在宅業務をすることの多い教育機関や行政機関などに「TRANSPORTER」が導入されている。亀山市役所では300ライセンスを利用している。川邊社長は「SunRayなどのシンクライアント専用端末やシトリックスのミドルウェアなどを導入に付随して購入する必要がない」と、「iZE Thin Client」の優位性を強調し、教育・行政機関を中心に小規模企業へ拡販する。

 認定販売パートナーとしては、三重県内ですでにNTT西日本・三重や富士ゼロックス三重などがある。この先、「47都道府県に1社ずつでも、1次販社となるパートナーを地場から開拓する。伊勢神宮のお参りの際にでも、本社でパートナーにスキルトランスファーする」(川邊社長)という。

 今年度(2008年3月期)の売上高は5000万円、来年度が2億円、3年後に5億円を目指す。