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サイボウズ グループ会社の出資見直しを検討 ソフトウェア事業に再び集中

2008/01/07 20:50

週刊BCN 2008年01月07日vol.1217掲載

 サイボウズ(青野慶久社長)は、グループウェアを中心としたソフト開発・販売事業に経営資源を集中させる。2年ほど前からソフトベンダー以外の企業に相次ぎ出資してグループ会社化し多角化戦略を進めてきたが、この方針を転換。強みのソフト事業に絞ったグループ体制を構築する。ソフトビジネスで相乗効果が図れないと判断したグループ会社については、出資比率の引き下げなど資本関係を見直すことで検討に入った。

 サイボウズの連結子会社は9社で、持分法適用関連会社は2社。1997年の設立以来、単体経営でソフト開発・販売事業に集中してきたが、05年から資本提携や子会社設立に積極的に動き、約2年で11社を一気にグループ化した。ソリューション提供や経営コンサル、通信サービス会社などに相次いで出資。単体の事業領域であるソフトビジネスとは異なる分野に進出した。

 だが、一部の子会社が赤字から抜け出せないほか、「グループとして相乗効果を見出しにくい会社が見え始めた」(青野社長)ことから、グループ体制を見直す。グループウェアを軸とした「ソフトウェア開発・販売事業に再び経営資源を集中させる」方針を青野社長は強調。ソフトビジネスに貢献しにくいグループ会社は、出資比率の引き下げなど資本関係を見直すことで検討に入った。

 ソフト事業では、まずはグループウェアの拡販を再び加速させる。中小規模システム向けグループウェア「サイボウズ Office」では、新版を11月下旬に発売。「Ajax」の採用や携帯電話から操作可能な項目の追加、自動バックアップ機能を追加した。一方、大規模向けモデル「サイボウズ ガルーン」でも、新バージョンを08年春に販売開始する予定。同ソフト内に保存する文書を探せる「全文検索機能」を新たに加える。このほかでは、データベース「サイボウズ デヂエ」と、07年に商品化したSFAソフト「同 ドットセールス」をグループウェアに次ぐ商品に育てるため、プロモーションを強化する。

 「ガルーン」は、約1万6000人の岡山県庁職員が利用するなど大規模システムでの導入が増え、今年度(08年1月期)中間期売上高は前年同期比34.7%増の6億4300万円に成長。好調に推移する。一方で、「Office」は同11.1%減の8億7700万円で苦戦する。

 青野社長はグループウェア市場に関して「小規模向けは急速に販売が伸ばせる環境ではないが、大規模向けは期待できる。大規模システムでの導入実績が増え、他社製グループウェアからのリプレースを販売代理店とともに促進させていきたい。『Office』は新版リリースで需要喚起が可能」と説明している。
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