松下電器産業は、2009年5月の稼働を予定している尼崎第5工場で生産するプラズマディスプレイパネル(PDP)のサイズを、2280×3920mmにすると発表し、3期に分けて生産ラインを構築する考えを示した。フル稼働時には、42インチ換算で月産120万台の生産規模になる。既存の同社工場に比べて格段に生産効率が高く、コスト競争力を高めることができると期待されている。

 松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社・坂本俊弘社長によると、尼崎第5工場で生産するパネルサイズは、42インチを16面取りできるサイズで、シャープが2010年に稼働させる予定の堺工場で導入を計画している第10世代の液晶パネル用マザーガラス(2800×3050mm)よりも大きい。

 さらに、材料投入からパネル生産完了までの生産リードタイムが、茨木第1工場に比べて53%削減。第1工場では60以上あった生産プロセスを67%にまで削減できる。これにより、「コスト競争力で効果が発揮できる。とくに42インチでの競争力が高まる」(坂本社長)とみている。

 それに加えて同社は、新パネル技術として「Neo-PDP」を開発。材料、プロセス、セル構造の見直しによって、従来のフルHDプラズマパネルに比べて、発光効率を2倍にできるほか、輝度をそのままにして消費電力を2分の1に引き下げることができるというものだ。また、シングルスキャン方式を採用しており、コストの大幅な削減も実現できる。

 「調査会社からは、PDPの苦戦を予測する結果が出ているが、その予測の前提条件には、42インチのフルHDでは、液晶テレビのほうがコストメリットがあるという考え方がある。しかし、42インチプラズマフルHDパネルをシングルスキャン化したこと、新工場で効率の高い生産体制が確立することによって、この前提条件が崩れ、薄型テレビの需要予測を大きく覆す技術になる」と、坂本社長は展望を語る。

 新パネルは、すでに尼崎第3工場および第4工場での生産を開始しており、3月から発売する春モデルに、一部採用する。09年度に発売するプラズマテレビには、新パネル技術が標準搭載される。

 一方、今年1月のCESで発表した150インチプラズマディスプレイおよび24.7mmの超薄型フルフラットパネルは、いずれも09年度中の発売を予定していることも明らかにした。

 なお、液晶パネル生産のIPSアルファへの投資に関しては、「周回遅れとの指摘もあるようだが、構造的、原価的に十分競争力を発揮できる技術と判断し、IPSアルファテクノロジの新パネル工場への大型投資を決めた」としている。IPSアルファテクノロジの新パネル工場は、09年度を目標に生産を開始する予定だ。