岐阜の情報産業集積拠点「ソフトピアジャパン」に入居するシステム開発会社を中心に3月1日発足したNPO法人ドットNET分散開発ソフトピア・センター(横山俊明理事長)は3月26日、設立趣旨や活動内容、今後の取り組みなどに関するメディア向け説明会を開いた。

 説明会で横山理事長は「岐阜県には『ソフトピアジャパン』という基地がある。岐阜県をより活発にするためには、SOA(サービス指向アーキテクチャ)化が必要だ。技術者育成からはじめ、ソフトウェアの部品化、再利用化のコンセプトを企業に広めていけば、全国的に開発技術の変化につながっていくのではないか」と話した。

 岐阜県内のITベンダーは、大手SIerの下請けが80%以上にのぼっているが、人件費などの面から中国、インド、ベトナムなどでのオフショア開発が増えている。こうした状況のなか従来のウォーターフォール開発ではオフショアに競合できないことから、SOAに注目した。

 しかしSOAでは、技術者の不足や、グローバル標準の文書化手法が国内で普及していないこと、新しいSIビジネスモデルへの変革が困難であるなどの課題も多い。そこで、SOA開発の人材育成とソフトウェア生産技術の確立を目指して同センターを設立した。SOA開発ではJavaでの開発の割合が高いが、当面は中小企業で身近に使うことのできる.NET環境に焦点をあてる。さらに分散開発、アジャイルソフトウェア開発手法を取り入れることで、人員の少数精鋭化、短納期、低コスト、品質向上を図る。

 主な事業は、SOAコンポーネント開発のOJTによる「人材育成事業」、また、OJTを行うための開発案件を受注する「受託開発事業」、開発、品質管理、ビジネス・プロセス定義のための支援ツールなどの研究、実験、開発を行う「研究開発事業」の3つ。

 特に人材育成では、マイクロソフト、ソフトピアジャパンと連携し、基礎的な教育とOJTで人材を育成。また上流工程の教育では、世界的に採用されているUML(統一モデリング手法)に力を入れることで、「UMLモデリングを身に付けることで、ワールドワイドで活躍できる人材を輩出」したい(戸田孝一郎理事)としている。

 そのほか、早期に教育環境を提供するため、商業・工業高校の教員への指導や就業体験を通して実戦経験を積むプログラムなどを予定している。さらに大学への教材提供や、講師派遣も行う。

 マイクロソフトのディベロッパービジネス本部 市橋暢哉本部長は「マイクロソフトは会社として全面的に支援する」とした上で、具体的な支援策として、岐阜マイクロソフト・イノベーションセンターによる人材育成と、ソフト開発のノウハウなどワールドワイドでの情報提供、また、.NET市場の拡大の3つを挙げた。市橋本部長は「ソフトピアの方向性、テクノロジー、手法は絵に描いた餅ではなく、地に足をつけて実現し、日本を変えることができるかも知れない」と話した。