日立電子サービス(日立電サ、百瀬次生社長)は、グリーンITビジネスを拡大させる。得意のデータセンター(DC)設備技術を生かし、国際団体が定めた具体的な指標をベースに省電力化を進める。集積度が高いブレードサーバーが急速に普及するなか、空調などの整備がサーバー形状の変化に追いつかない状況が発生。これをビジネスチャンスと捉え、主に設備面での省電力化サービスを強化することで事業拡大を目指す。

 空調やUPS(無停電電源装置)、変圧器などの設備は設計寿命が15-20年と長く、技術革新の早いサーバーやネットワークなどのIT機器の変化に対応できないケースが相次いでいる。DC全体の消費電力をIT機器の消費電力で割った「PUE(電気の使用効果=Power Usage Effectiveness)」指数をベースに設備の省電力化に取り組む。

 国内での平均的DCのPUE指数はおおよそ2.5-2.8とされ、1に近ければ近いほど設備電力の効率が高いことになる。グリーンITを推進する国際団体Green Gridでは、PUE指数の目標値を1.6と定めており、日立電サでは空調効率を高める空間設計や電力消費のより少ない空調やUPS、変圧器への切り替えを促進し、ビジネスを拡大させる。設備製品は主にグリーンITを指向した日立グループの製品を活用する。

 現状では最新鋭のDCでもPUE指数が2を切る程度で、1.6の実現は「かなり高いハードル」(蓮見裕・プラットフォームインテグレーション事業部コンストラクションシステム部長)とみられる。同社では中長期のスパンで目標値へ近づくコンサルテーションサービスを準備。製品ライフサイクルの長い整備機器の特性に合わせたビジネスモデルを構築する。

 近年ではサーバー統合による集積化や、SaaSなどサーバーベースコンピューティングの需要が急速に拡大。高密度なブレードサーバーが従来のメインフレームやラック型サーバーを置き換え始めている。なかでもメインフレームからブレードに置き換えるケースでは設備能力とのギャップが起きやすく、サーバー周辺に熱がこもる“熱だまり”現象が発生。システム障害につながる危険性をはらんでいる。

 日立電サのDC向けの設備ビジネスの直近の年商はおよそ百数十億円。設備の買い替えサイクルが長いこともあり、ここ数年の伸び率は鈍化する傾向がみられた。今回のグリーンITビジネスを推進することで、今後3年間の累計で新たに30億円の上乗せを狙う。