社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)は、ビジネスシーンにおけるスマートフォンの利用に関する調査を行い、その結果を公表した。

 この調査は、同協会のモバイルシステム部会が2007年度の活動として実施したもの。4機種6台のスマートフォンを実際に購入し、07年5月から08年4月にかけてモバイルシステム部会員がビジネスシーンで実際に利用した結果をまとめた。

 同協会モバイルシステム部会の増本哲夫部会長は、「現在、3キャリアから15機種のスマートフォンが発売されており、用途に応じて選択できる幅が広がっている」とする一方で、「搭載されているソフトウェアが成熟していないこと、ビジネスで手軽に使える環境が整っていないことが問題だ」と課題を指摘した。

 具体的には、住所録、予定表などのPIM(Personal Information Manager、ピム)が使いづらいという声や、企業のセキュリティ対策の観点からスマートフォンで会社のメールを取得できないといった問題を指摘する声が相次いだという。

 「利用した部会員の大半が、会社のサーバーにアクセスして、メールを取ることができなかった。ビジネスシーンでのスマートフォンの普及に際しては、導入する企業側の仕組みを開放するといった措置が必要になる。スマートフォンに関連するセキュリティ製品・サービスが数多く用意されていることを認知させる必要がある」などと指摘した。

 また、画面表示については、メールとPIMを主に利用するユーザーはQVGAで十分とするものの、ウェブサイトを閲覧するには、WVGAが最適であることなどが示された。入力方式については、スライド式QWERTYキーは、「使い込むと両手保持による親指入力がスムーズにできるようになる」という意見がある一方、10キー入力方式では、「携帯電話と同様の操作感は実現できるものの、キーアサインが異なることから、使いづらさを感じる声があがった」という。また、iPhoneで注目を集めるタッチパネル入力は、「直感的な入力ができ、手書き入力ができるという点で、携帯電話にはないメリットがある」としつつ、「文字入力とスタイラスによる操作を併用するのは煩雑である」などの指摘があったという。

 日本のユーザーは、電車のなかでつり革につかまりながら、片手で操作するという使い方が多いため、むしろ、片手入力に注目が集まるという背景もありそうだ。

 同部会では、「スマートフォンはビジネスで十分活用できる段階に入ってきている。ただし、通話中心か、データ通信が中心か、あるいは、メール中心なのか、ブラウジング中心かといった用途を明確にすることで、最適な機種やキャリアを選択しやすくなる」と結論づけている。