SIとNIを手がける日商エレクトロニクス(辻孝夫社長)とESB(エンタープライズ・サービス・バス)メーカーのソニックソフトウェア(田上一巳社長)の両社は、BPMとSOAの分野で戦略的な協業を結んだ。日商エレが販売するBPM製品のSOA化でユーザー企業の対象業種を広げる狙いがある。今回の協業で初年度に5億円の売上高を見込んでいる。

 両社は、ドキュメント管理が特徴の「Global360 Enterprise BPM Suite」と、可視化機能に定評があるBPMスイートの「Savvion BusinessManager」など日商エレが扱う製品に、ソニックのアプリケーション統合ミドルウェアである「Sonic ESB」を組み合わせてSOA化を可能とした。販売は、日商エレが担当する。ソニックは、SOA化のコンサルティングを中心に販売のサポートを行っていく。

 日商エレでは、「Global360」で多くの金融機関を顧客として獲得している。金融・BPM事業本部の高塚俊樹・事業企画部長は、「まずは既存顧客を対象にSOA化を進める」という。業種を限らずユーザーを増やすため、昨年秋に「Savvion」の販売を開始。「ソニック製品と組み合わせて提供するという(戦略的協業の)本来の目的を遂行することで、新規顧客の開拓を加速していく」方針を示す。

 両社が協業したのは、それぞれの製品を補完するため。日商エレが販売するBPM製品はSOA対応ではなかった。一方、ソニックのESB製品にはBPM機能が付いていない。「BPM機能が付いていないSOA対応のアプリケーション統合ミドルウェアを他社はもっていない」(久保田弘・執行役員マーケティング兼ビジネス開発担当)。日商エレにとっては、BPM製品のSOA化にはソニック製品が適しているわけだ。「(ソニック以外の)他社製品は、当社が扱うBPM製品のメリットが生かされない」(BPM統括部の長谷川健・営業第一グループリーダー)と認めている。

 戦略的協業による初年度の売上高は5億円程度と低めに設定しているが、「製品を組み合わせるだけでなく、サービス拡充の協業でもある」(高塚部長)としている。具体的には、日商エレが今年10月に東京・豊洲で竣工する予定の「技術検証・BPOセンター」に今回の協業で提供しているソリューションを導入。同センターで大企業向けのフルアウトソーシングサービスを提供していくことに加え、SaaS/ASPのサービス提供も計画。BPMをはじめ、ERPやCRM、文書管理、データ入力などを月額料金で提供するという。日商エレは、今年度から機器販売だけでなく、サービスを提供することに力を注いでおり、新センターの稼働もその一環。ソニックとの戦略的協業で、日商エレが大きく化けるかどうかは、SaaSをはじめとして、いかにサービスラインアップを増やせるかにかかってくる。