データセンター(DC)会社のソフトバンクIDC(真藤豊社長)は、省電力化への取り組みを強化する。今年秋、北九州市に竣工予定の新設DCでは建屋の構造そのものを抜本的に見直して冷房効率を向上。電力の削減に努める。設備面だけでなく、省電力を推進しやすいマネージドホスティングサービスの比重を高めるなど、ビジネスモデルの見直しも検討する。

 同社では都市部を中心に8か所のDCを稼働させる。だが、都市型では中高層ビルにDCを収容するケースが多く、構造上、熱がこもりやすい弱点がある。IT機器の冷却には常に頭を悩ませてきた。課題解決のため、まずサーバーを収容するラックの形状を統一。配置に工夫してDC室内の気流をスムーズにするなど、部分的にではあるが、「いち早く省電力化に取り組んできた」(霜鳥宏和・エンタープライズソリューション部ソフトバンクグループマネージャー)という実績がある。

 しかし、ラックの形状だけでなく、サーバーやネットワーク機器といったIT機材本体の種別や配置をDC会社側で統一できれば、より一層の効率化が図りやすくなる。DC側で機材やOS、アプリケーションサーバーなど基盤環境を揃え、顧客にITリソースのみ提供するマネージドホスティングサービスは、省電力化に効果があると見る。今は顧客企業が機材を持ち込むホスティング型がメインだが、IT環境そのものの統一化も検討事項にあげる。

 今秋北九州に新設するDCでは、既存のビルを使うのではなく、建物全体を自社でつくる。設計に当たっては、業界に先駆けて外気を一部採り入れる機構を採用。従来の空調設備の冷却機能にのみ依存する構造ではなく、外気も自然空調として冷却に活用することで電力削減につなげる。外気採り入れはホコリや結露の原因になるとされ、空気を室内で循環させるDCが大半を占める。そうしたなか、外気採り入れのデメリットを克服する技術革新にも積極的に取り組む。