NEC(矢野薫社長)は、コミュニケーションサーバー「UNIVERGE」でSMB(中堅・中小企業)向け製品「SV8300」を発売した。UC(ユニファイドコミュニケーション)普及の時期到来と判断したからで、一気にユーザーのすそ野を広げる方針。販売代理店に対しても、最適なアプリケーションを搭載するための開発キットの提供など支援策の強化を図っている。

 「UNIVERGE」を軸にUC事業で獲得してきたユーザーは、これまで大企業が中心だった。SMBに関しては、100万円で導入可能な「OneMillionソリューション」をパッケージ化したものの、「コスト面での優位性をアピールしたため、UCの観点では思ったほど拡販できていない」(平田英之・UNIVERGEソリューション推進本部長)のが実情だ。そこで、コミュニケーションサーバーの新製品として「SV8300」を市場投入した。

 このたび製品ラインアップを拡充したのは、「UCが世間的に盛り上がっている」と判断したため。UC関連の製品・サービスの導入でメリットが享受できると認識しているSMBが多いとみているものの、「ワークスタイルの変革という点で、これまでとは異なった業務フローが要求されることから導入の壁が高いとする意識も根強い」という。「SV8300」で焦点をあてたのは導入時のシンプル化。ルータなど付帯装置を内蔵したオールインワン提供や簡単セットアップの実現で拡販を図っていく方針だ。

 販売代理店への支援策については、自社アプリケーションを持つSIerを中心に開発キットを提供。これにより、「これまでPBXに強い販売パートナーがUNIVERGEを販売するケースが多かったが、コンピュータに強い販売パートナーにも売る意欲が高まっている」と自信をみせる。そのため、各地域で新製品をアピールするためのキャラバンを販売代理店と共同開催するなどで需要を掘り起こすことも検討する。

 既存ユーザーとして確保している大企業の領域に関しては、「SV8500」を発売している。同製品の強化点は、対応モバイル端末の増加。これまでと同様に、「FOMA」や「au」に対応しているほか、NTTドコモが新しく発売した次世代端末「onefone」や、ウィルコムの内線サービス「W-VPN」に今年10月から対応するなど「キャリア連携を追求する」としている。

 代表電話番号に連絡するケースが多い日本では、なかなかUCのニーズが高まらないといわれてきたが、「まずは1部門といったスモールスタートの提案で、徐々に導入事例が増えている。アプリケーションベンダーがUCをアピールしていることからも、今年がハードウェアのUC市場で主導権を握る重要な年になる」という。売上高については、「2ケタ成長は確実」と見込んでいる。