中期的な視点で体制つくる

 コア(井手祥司社長)は、組み込みソフトビジネスの基盤強化に取り組む。情報家電やFA制御、自動車など各分野で持ち前の総合力を生かす体制づくりを急ぐ。これまで好調だった携帯電話向け組み込みソフト需要はほぼ頭打ちの状態。向こう2-3年を見据えて、中期的な視点で体制の立て直しを図る。幅広い分野で可能性を探ることで、次の成長に結びつくビジネスの芽をつかむ考えだ。

 コアの組み込みソフトビジネスの売り上げに占める携帯電話関連の比率は直近で26%と高く、今後の成長のためには他分野の強化が欠かせない。今年度(09年3月期)の携帯電話向けのビジネスは、「よくて横ばい」(組み込みソフト事業担当の簗田稔・取締役常務執行役員)と厳しい状況である。

 自動車関連の比率は同10%強で、まだ伸びる余地は大きいものの、原材料高の煽りを受けて「コスト削減圧力が強まっている」(別の大手SIer幹部)と、楽観はできない。携帯と自動車の二大需要だけに頼っていてはリスクが大きい。

 そこで打ち出すのが情報家電やFA制御、通信など、マイコン全盛時代からコアが得意としてきた分野の需要を手堅く取り込む施策だ。携帯や自動車も粘り強く営業をかける一方で、全体的にリスクを分散し、マイナス影響を最小限にとどめる。今期の組み込みソフト事業の売り上げ見通しは140億円と前年度比3.3%増を見込むものの、当面は「組み込みソフトビジネスの次の成長を見据えた体制、基盤づくりの時期」(簗田常務)と、位置づける。

 情報家電は、地デジや次世代DVDなど変化が激しい分野で、メーカーの浮き沈みが激しい。「勝ち組メーカーとのパイプを太くする」と、系列に属さない独立系SIerの強みを生かした営業を展開する。また、プロダクトの設計段階から参画し、組み込みソフトの開発からハードウェア設計、EMS(電子機器の受託生産)ベンダーと組んでプロトタイプの生産まで手がけるサービスも拡充する。上流工程からプロトタイプまで一貫して手がけることで付加価値を高める。

 組み込みソフトを巡っては、SI業界最大手のNTTデータがパナソニックモバイルコミュニケーションズと提携して事業を強化するなどSIer同士の競争も激化する。コアでは人員の配置や育成にも力を入れることで、継続的な成長を目指す。