セキュリティソフトなどを手がけるキングソフト(翁永飆社長、沈海寅社長)は、3月期末をもって広沢一郎社長が退任したことに伴い、取締役の翁永飆氏、沈海寅氏の両名が新社長に就任、タンデム経営体制を敷いた。広沢社長は取締役として再任された。

 同社は従来の広告収益を主軸にしたソフト提供を行いながら、本社である中国の金山軟件有限公司が主導する技術開発や、積極的なM&Aにより獲得した技術を日本でも提供する方針だ。 広告収益による無料のソフト提供など、ビジネスモデルに大きな変更はない。今後は同社の主力製品である「キングソフト インターネット セキュリティ」などのセキュリティ製品や「キングソフト オフィス」製品のほかに、「エンドユーザーにとって必要な、インフラに近いソフトを安く、もしくは無料で提供していくことを視野に入れている」(沈社長)としている。

 また、本社である金山軟件有限公司が上場したことから、本社主導の技術開発、もしくはM&Aを積極的に行うことにより、技術を取り込み製品展開していくとしている。同社は先頃中国国内のセキュリティアプライアンス企業を買収したが、「日本国内ではソフトのみでの展開だが、法人市場の様子を見たうえで、ハード製品を投入する可能性もあり得る」と示唆した。

 同社は新版の「インターネット セキュリティ U」において「オンライン信用認証機能」を新たに提供している。「オンライン信用認証機能」とは、疑わしいファイルが発見された場合にユーザー承諾の後、キングソフトのセンターにそれを即座に転送・解析する機能で、もし新種のウイルスやスパイウェアが発見されれば、それをいち早く定義パターンに反映する。

 同社はこの「オンライン信用認証機能」においてユーザーから積極的に検体を提供してもらう「セキュリティ強化計画」を遂行することで、グローバルレベルでの検知率向上につなげていきたいとしている。