ロードバランサーを中心としたスイッチメーカーの韓国パイオリンク(チョ・ヨンチョル社長兼CEO)は、来年早々にもアプリケーションをポリシー面から管理するAPM(アプリケーション・パフォーマンス・マネジメント)事業に着手する。APMを足がかりにスイッチ市場でのシェア拡大を図る。また、年内には、セキュリティ関連のコンサルティングサービスも開始。ハードウェア提供から脱皮したビジネス展開を志向し、市場での主導権を握る。

 APMとは、ネットワーク上のアプリケーション配信において、そのパフォーマンスがどの程度であるのかを可視化し分析する管理手法。APM機能があれば、ユーザー企業のネットワーク管理者がネットワークの運用状況をモニタリングして、最適な機器を導入することができる。しかし、現在はAPM機能を搭載したネットワーク機器はほとんどないのが実情だ。そのため、ユーザーがITベンダーにいわれるまま、機器を導入してきた可能性もある。

 そこで、パイオリンクではAPMにフォーカス。アプリケーションの現状を自動モニタリングし、ネットワーク管理者がネットワーク・ポリシーを作成できる製品を開発中で、来年をめどに市場投入する計画だ。チョ社長兼CEOは、「APM市場は立ち上がったばかり。いち早く対応することで、市場での主導権を握る」としている。

 ネットワーク関連機器を取り巻く環境は、基幹に位置づけられるL2/L3スイッチが成熟化していることから市場が縮小傾向に進んでいる一方、L4-7スイッチ市場はウェブによるアプリケーション配信が増えていることから拡大傾向にある。国内をみると、F5ネットワークスがトップに君臨し、他社を寄せ付けない状況。ロードバランサーを中心としたネットワーク関連機器メーカーにとっては、何としてでも市場奪取を図りたいところだ。

 韓国トップクラスのパイオリンクにとっても事情は同様で、「今後、2-3年は売り上げ50%程度の成長を維持し、シェア拡大を図っていきたい」考えを示している。APMへの着手は、ワールドワイドでビジネス領域を広げるだけでなく、日本での知名度を上げる意味合いも強いといえそうだ。

 日本でのビジネス拡大を図る策として、年内にはセキュリティ関連のコンサルティングサービスを提供する。ウェブぜい弱性の診断やハッキングのテスト、リモート監視などをメニュー化し、パッケージで販売する予定だ。

 ワールドワイド売上高では、今年度上期に前年同期比30%増を記録した。「今後も、現状の伸び率を維持していく」としており、成長の決め手は日本市場でいかにシェア拡大を図れるかにかかってくる。