UC市場で主導権を握る

 沖電気工業(OKI、篠塚勝正社長)は、今年秋をめどにIP電話連携アプリケーションの「Com@WILL(コムアットウィル)」をSaaSで提供することを明らかにした。UC(ユニファイドコミュニケーション)のユーザーとして大企業だけでなくSMB(中堅・中小企業)にまですそ野を広げることが狙い。販売代理店が売りやすい環境を整える。

 OKIでは、Com@WILLのソフトフォン機能をセールスフォース・ドットコムのSaaSプラットフォームに乗せる計画を立てている。ユーザー企業はIP電話機などIPテレフォニー機器を購入する必要はあるが、基本的には月額料金制でリーズナブルにUC環境を構築することが可能となる。

 ネットワークシステムカンパニーIPシステム本部マーケティング部の西田慎一郎部長は、「UCのニーズは、SMBまで広がっている。しかし、壁になっているのは価格だ」としている。これまで音声通信をIP化すれば通話料金が安くなるメリットがあったが、「(それだけでなく)最近ではコミュニケーションの高度化を求める企業が多い」(西田部長)。

 これにより、UCに対する導入意欲が高まっているというわけだが、ユーザー企業にとってはUC関連のソフトを購入することになれば投資額がかさむ。このことが、国内でUCがなかなか広がらない最大の原因だった。

 そこでOKIはUC関連アプリケーションを業界で初めてSaaS化することに踏み切った。同社は、国内で派生する問題を一気に払拭することで「UC市場で主導権を握る」考えを示している。

 これまでは、SIP(VoIP応用の通話制御プロトコル)サーバー市場のシェア拡大に向け、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)やSIer向けに設けた販売支援制度「Com@WILLアプリケーションパートナープログラム」を立ち上げるなど、SIPサーバーとアプリケーションサービスの連携強化に力を注いできた。

 同パートナープログラムは、自社のIPテレフォニーのハードウェア「IPコンバージェンスサーバーSS9100」や、「IPステージファミリ」、ハードウェアと互換性が高いソフトウェア製品群「Com@WILL」などと、SIerやISVが開発するソフトとの連携強化を図る制度。

 OKIは同パートナープログラムによるアライアンス企業に対してCom@WILLのAPI(アプリケーションプログラムインタフェース)を開示し、連携してソリューション提供に努めている。

 こうした取り組みは、一般オフィスへのSIPサーバー需要を増やすことが狙い。それに加えて、今後は「UC導入の敷居を低くすることが重要」との判断があったため、今回のような施策が実施された。

 製品面では、「(電話を)かける側の利便性を追求していく」方針で、来年をめどに固定電話や携帯電話などIP電話からでなくても、できるだけ通話相手と自動的にコミュニケーションが図れるような機能を追加していく。これが実現できれば、UCの概念を抜本的に変えることにもつながりそうだ。