アドビシステムズ(ギャレット・イルグ社長)は、会社規模での導入向けボリュームライセンスプログラムの販売に力を入れる。プログラムの名称は従来からある「CLP」で、購入ライセンス数が多いほど、ライセンス価格の割引率も大きくなり、導入コストの適正化などに魅力のあるプログラムだ。

 アドビの「CLP」は、一定ポイント数以上のアドビのライセンス製品を購入した大口ユーザーを対象にしたライセンスプログラムで、パッケージ単体や簡易的なライセンスプログラムで購入するよりも割引率が大きくなる。原則的にはパッケージ化されているソフト製品が対象になる。パッケージ化されていないサーバー製品などは除く。

 CLPという制度は従来から存在していたが、「昨今、内部統制整備を積極的に進めているユーザーが増えてきており、CLPのニーズが高まってきている」(今泉寛・シニアライセンシングマーケティングマネージャー)という。

 CLP導入により、購入窓口一元化などソフトウェア資産管理が促進される。また関連会社も含めることができ、グループ企業としての統制にも対応したプログラムでもある。まずは、販売パートナーなどを通じて、特に内部統制の基盤整備を進めている上場企業クラスを対象に、適用数を増やしていく考えだ。

 同社は、ホームページ制作会社や出版・デザイン業界などで幅広く利用されている「Photoshop」「Illustrator」などクリエーター向けの製品がビジネスの中心を占めていて、この顧客層は比較的中小規模な事業者が多い。しかし一方で、「Acrobat」に加えて、リッチインターネットアプリケーションの実行環境「AIR」や、PDFをベースとした文書管理システム「LiveCycle」など、企業規模を問わず汎用的に使える商材を戦略的に拡充してきている。

 CLPは、まとまった量を購入すれば割引率も大きくなる方式で、業務システムに強い大手パッケージソフトベンダーも同様のライセンス体系を採り入れているケースが多い。アドビシステムズは、CLPの適用ユーザーを拡大させることによって、大規模な企業向けのビジネスにおける競争力を高め、事業拡大につなげる。