Linux技術者認定試験「LPIC」。約150か国で展開される世界的な試験で、総受験者数のうち日本人が過半数を占める。日本のLinux技術者の人気を集める資格だ。8月下旬、「LPIC」運用のNPO(特定非営利活動法人)であるLPI(カナダ・オンタリオ州)の試験開発責任者マシュー・ライス・ディレクターが、日本のLinux動向調査などを目的に来日した。日本人の人気が高い理由や試験開発のプロセス、2009年2月開始予定の新試験項目について聞いた。

 ――7月で世界の総受験者数が18万8000人を突破し、そのうち日本人が10万人を占めた。
 カナダ本部を除き最初に進出した国が日本だった。Linuxがいちばん盛り上がっているのは米国だが、「LPIC」に限れば、最初に始めたことが奏功し日本人の人気が圧倒的に高い。

 ――試験を開発するうえで、どんなプロセスで進めているのか。
 試験の開発には主に4ステップを踏む。要望・意見収集に始まり、課題設定、問題の作成、最終チェックと進む。「LPIC」の開発スタイルは、OSS(オープンソースソフトウェア)同様にオープンな仕組み。要望はWebサイトやイベントで広く募集するし、試験のβ版は世界の希望者に試してもらい、その意見を反映する。日本でもβテストに参加してもらったことがある。

 ――試験の開発プロセスのなかで、受験者が多い日本を重視しているか。
 「LPIC」の最難関試験「レベル3」では日本から最も多くの情報を反映させた。また、今年9月に開始予定のセキュリティに特化した試験は、IPA(情報処理推進機構)と協力して開発する。これは初めての取り組みだ。

 ――セキュリティ専門試験ではどのような内容を検討しているのか。
 日本の要望として20項目ほどがすでに出されている。採用されるかどうかは今の段階では言えないが、「OpenSSL」や「TOMOYO」などが検討項目に入っている。

 ――試験項目の今後の追加計画は。

 「LPIC」は知識レベルに合わせて3段階の試験項目がある。今後は、最難関のレベル3の試験項目を拡充する。レベル3ではすでに2つの試験内容があり、先に話したセキュリティ専門試験が3番目になる。時期は未定だが4番目、5番目の試験も開発する考えだ。

「LPIC」とは

 1999年に始まったLinux関連技術の試験制度で、正式名称は「Linux Professional Institute Certification」。特定ベンダーに依存しない中立的立場で開発した試験内容が特徴になっている。試験は、難易度に合わせてレベル1/2/3と3段階に分け、各レベルでそれぞれ2項目試験がある。日本の受験者は10万人を突破し、試験合格者はレベル1が2万6500人、2が6700人、3が340人。