マイクロソフト(樋口泰行社長)が昨年度(2008年6月期)後半から再強化するITエンジニア向け支援施策。マイクロソフト製品・技術の開発者への浸透が製品・サービスの販売に欠かせないと判断し、樋口体制になってから開発者向けサポート施策を強化、地道な活動を続けている。日本語の技術情報充実を中心に、なかには数億円レベルの投資もして推進しているが、その成果はいかに――。

 マイクロソフトは2008年3月、ITエンジニア向け支援内容を再強化することを宣言。ITエンジニア支援自体は06年夏に掲げた施策だが、内容に課題や問題が浮き彫りになり、ユーザー企業からの要望も増えていた。そこで今回はデベロッパー&プラットフォーム統括本部ITエンジニアテクノロジー推進本部が中心になって計画を練り直し、今春から再スタートしたのだ。

 重点施策に挙げたのが、「技術情報の提供」と「ライセンスの説明」。ITエンジニアにとって最も重要な日本語の技術系文書を充実させ、多様な製品を持つゆえに発生する複雑なライセンス体系の分かりやすい説明の仕組み構築に力を注いでいる。

 技術情報の充実には、「数億円レベルの投資」(大場章弘・執行役デベロッパー&プラットフォーム統括本部長)を行い、日本語の技術文書を直近半年で1万ページ新たに揃えた。技術資料の充実はさらに加速させるつもりで、10か月後までにはセキュリティソフト「Forefront」やブラウザ「Internet Explorer 8」、業務ソフト「Dynamics」など6製品の日本語の技術文書を新たに1万ページ追加する。

 一方、ライセンスの説明では、ユーザー企業やソフト開発会社が3ステップで自社に適した製品とライセンスを選択できる「ライセンスアドバイザー」と呼ぶ無償のオンラインツールを今夏に日本語化。加えて、ライセンス関連の質問に特化したコールセンター「ライセンスコールセンター」の人員を5割増強した。

 成果としては、技術資料へのアクセスが「目標数値に比べ2倍」(大場執行役)で、「コールセンターへの月間5000件にのぼる問い合わせ対し迅速に対応できるようになった」(森田益成・ITエンジニアテクノロジー推進本部本部長)。

 大場執行役は、「デベロッパー&プラットフォーム統括本部の3年先までを見越した中期計画で定めた3施策の一つが、ITエンジニア向けのサポートだ。統括本部の大きなミッションになっている。ある程度の成果を感じているが、今後も継続強化する姿勢は変わらない」と強調。今年度はとくに、PC向け技術の浸透とマイクロソフトが掲げる情報システム利用のコンセプト「Software+Service(S+S)」関連の情報提供を活発化させるという。「S+S」では、関連イベントを米国で今年10月に、日本では来年1-2月に開催する予定だ。