「Microsoft Japan Partner Conference」は恒例の年次イベントで、今年は昨年より1か月前倒しで開催された。3月期決算の企業であれば10月が下期スタートとなる。パートナーが下期の事業戦略を立案するには10月上旬開催のほうが好都合と判断して、彼らに配慮した格好だ。朝10時から夜は20時まで、1日びっしりのスケジュールが組まれた。マイクロソフトが売り出したい製品・ソリューションの説明のほか、午後には樋口社長など幹部の担当部門セッション、そして幹部も参加する夕方からの懇親会で締めくくった。

 樋口社長のプレゼンテーションでは「外資系企業は、目先の四半期業績拡大を重視しがちだが、私は中期的な視点でビジネス戦略を描いている」と冒頭説明。「パートナーからの不満が強い三項目が『日本語の技術資料不足』『複雑なライセンス体系』『品質』。それらの解消に向けて施策を打っている」と訴え、技術資料1万ページの日本語化やコールセンターの人員増強など実際の成果も説明した。

 このほか登壇した幹部は窪田大介執行役専務、平野拓也執行役常務、佐分利ユージン執行役常務、大場章弘執行役、中山泰宏業務執行役員の5人。

 大企業向けビジネスを担当する平野執行役常務は、製品の単なる提供ではなくソリューション販売へのシフトを強調し、「ソリューションプランの立案を進めている最中で今年度中に200本用意する。また、コンサルティングや保守などサービス部隊は2年前に比べて倍増させ400人体制にしており、今後も増強する予定」と話した。

 一方、中堅・中小企業(SMB)を担当する窪田大介執行役専務は、テレセールス強化による見込み案件の創出とパートナーへの案件提供など五つの新施策を説明。「市場が厳しい環境にあるが、緊張感と責任感を持ってパートナーとともにビジネスを拡大させる」と強調した。

 中山業務執行役員は新施策を発表。ソフト開発企業やSIerの技術力強化を目的とした無償セミナー「Future Technology Days(FTD)」を、今後1年間で全国10都市において約50回開催するプランを公表。「FTD」では、「Silver light」や「InternetExplorer 8」「Windows Presentation Foundation(WPF)」などを対象製品とした「ユーザーエクスペリエンス」セミナーを11月6日から開始するほか、来春からは「次世代OS」と「次世代環境&フレームワーク」をテーマとしたセミナーも始める。すでに専用Webページも開設済み。「FTD」を通じて自社製品・サービスの優位性を理解してもらい、新規パートナーの獲得および既存パートナーの取り扱い製品の拡大につなげる算段だ。

 また、中山業務執行役員は、「現在のパートナープログラムは2-3年前に作った制度で、時代にマッチしにくくなってきた。マイクロソフトが提唱する『Software+Service』を意識し、プログラムのリニューアルを検討している」として、支援制度を見直す考えを示した。

貢献度高いパートナーを表彰
18部門で23社が受賞


 幹部のプレゼンテーション後には、パートナー表彰制度「Microsoft Partner of the Year 2008」の表彰式となった。これは同イベント恒例の行事で、マイクロソフト製品を基盤とした先進的なソリューションの販売実績を持つITベンダーを表彰するもの。今年は18部門で23社が受賞した。

 なかでも、日立製作所および日立システムアンドサービスは、交通機関向け情報システム構築で数千台の「Windows Vista」と、今年発売の「Windows Server 2008」の仮想化環境構築などを評価され、「Advanced Infrastructure Solutions Partner of the Year」を獲得した。

 受賞企業の一覧は表の通り。