ITコーディネータ協会(関隆明会長)は10月10-11日の2日間、年次イベント「ITC Conference 2008」を開催した。今回で7回目を迎える同カンファレンスの冒頭で、関会長は先行き不透明な情勢のなかで中小企業によるIT化の重要性をアピール。基調講演では、経済産業省商務情報政策局の八尋俊英・情報処理振興課長が日本IT業界のグローバル化を訴えた。

 「(米国の金融問題など)最近の世界情勢の急変で、日本にも株安など少なからず影響が出始めている」。主催者挨拶で、関会長はこう切り出した。警鐘を鳴らしたのは、中小企業へのダメージを危惧しているためだ。「資金力に乏しい企業がIT化に投資するのは厳しいといわざるをえない。しかし、荒波のなかで経営革新を図るにはIT化は必要なのではないだろうか」。その支援を行うために、ITコーディネータが役割を果たす必要があることを訴えた。

 また、「ITコーディネータの特徴を改めて考えていかなければならない」とも指摘した。さらには、ITベンダーは、SEの教育で要件定義など“上流”に力を入れているケースが多いとし、中小企業を支援するITコーディネータが先行き不透明な情勢のなかでチャレンジしていくことの必要性も説いた。

 続いて、基調講演で登場した八尋課長は「(中国の)大連はグローバル化に積極的」と、日本のIT業界もグローバルを見据えなければならないことを指摘。加えて、「(ブロードバンド化など)ネットワークでつながる世界は、製品というよりもサービス提供が中心となる。日本のソフト産業自体も変革が求められている」と訴えたうえで、「ITコーディネータの役割はユーザー企業に代わってIT化の価値を見極めること。今、日本のソフト開発は先の見通しがないのが実際。アドバイスできる立場の存在も必要」と期待を込めた。

 米国金融市場から始まった世界恐慌の危険性、IT業界における日本発のグローバル対応が乏しい状況のなか、ITコーディネータの役割が転換期を迎えているということだ。中小企業に対する経営革新を踏まえたIT導入を促してもいくが、今後は日本のグローバル化を視野に入れたIT業界全体のコーディネートも必要になってくるのではないか。今回のカンファレンスは、ITコーディネータが次のステージに進む方向性を示していたのが印象的だった。