ネットワンシステムズ(吉野孝行社長)は、製品指向でなくサービス指向のビジネスを手がけることに力を注ぐ。営業担当者などのコミュニケーションの向上で各ユーザー企業に適した製品を提供。同社のいうサービス指向とは、主力事業であるネットワーク関連機器の販売を増やしていくことを意味する。

 吉野社長は、「製品の機能面でみると、発売から3年後にはコモディティ(日常品)化するのが一般的。単なる製品売りでは販売拡大につながらない」と訴える。社長就任直後の7月から本格的に始めたのが、社内コミュニケーションを密にすること。例えば、あるユーザー企業への営業を複数の組織で担当する場合、「ユーザー企業にとって最適な製品やサービスを提供できるように、現場レベルでそのユーザー企業について知っている情報を交換する作業を徹底的に実施している」という。一見、地道な作業にみえるが、「社内で意思疎通が図れていなければ、顧客満足度を高めることはできない」との考えに立つ行動だ。こうした取り組みは、全社で業績を拡大していくための環境作りで「社員のモチベーションを高めることにもつながる」とみている。また、こうしたユーザー企業の声を分析することで「メーカーに対して適した製品を開発してもらうように提案することも可能になる」としている。7月から開始したサービス指向戦略が効果を現し、今年度中間期決算は業績予想を上方修正した。売上高623億円(期初予想は558億円)、営業利益34億円(16億円)、経常利益36億円(17億円)、最終利益21億円(10億円)を見込む。

 社内コミュニケーションの質的向上を追求しているのは、「ユーザー企業が製品を導入することで何ができるのかを求めているため」という。これまでネットワークインフラは、“見えない部分”であることから、ユーザー企業がどのような製品が向いているかなどを意識しているケースは少なかった。しかし、システムのオープン化が進んだ結果、ネットワークインフラ増強によるメリットを求める企業が増えているのも事実。ベンダー側が顧客に適した製品提供の重要性を改めて認識したようだ。これにより、“ネットワークに強いベンダー”をアピールしていく。